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年度末相場は上がりやすいのか?
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●今年の年度末相場はどうなるのか?
3月の年度末相場は、株価が大きく動きやすい月と言われる。3月は企業決算の月であり、株主優待や配当金などの権利取りなどが集中する月でもある。
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決算をよく見せるために企業や機関投資家は株を買い入れることが多く、株価も全体的に上がりやすいというイメージがある。だが実際には上昇年も下落年もあり、必ずしも上がるというわけではない。
一昨年の同時期にはコロナショックがあったが、今年もロシアのウクライナ侵攻があり、外部要因にも振り回されやすく、予測は難しい。米国の利上げもあり、年度末相場は上昇するのだろうか?
●節分天井彼岸底
よく相場のアノマリーとして、節分天井彼岸底という言葉が使われる。
年明けのご祝儀相場が節分あたり(2月上旬)に天井をつけて一巡し、その後彼岸(3月中旬)まで売られやすくなるという、いわばジンクスのようなものであるが、明確な根拠はない。
不思議なことに、節分も彼岸も関係ない米国株も同じような動きをすることも多い。というよりも、むしろ米国株式市場の方がこの傾向が強い。
日米ともに企業と株主の決算に向けて慌ただしく売買されることが多いことが主な原因と考えられる。
●今年の年度末は日本のバブル崩壊時と酷似?
1991年3月に日本はバブル崩壊が起きた。
その前年からイラクによるクウェート侵攻で湾岸危機があり、1991年には多国籍軍のイラク空爆をきっかけに、湾岸戦争が始まった。
この時も原油価格は3倍に高騰し、戦争までに金価格が上昇していた。この時、米国の株価は湾岸戦争開始をきっかけに上昇し続け、日経平均も同様に上昇した。
だが1991年3月から地価が下落を始め、この月から日本は長い停滞期に入った。さらに同年7月の公定歩合の引き下げが追い打ちをかけた。
戦争による資源高により、インフレ圧力、金融政策の変換が迫られることは30年前も今も同じで、舵取りを間違えると景気を冷やすことになる。
湾岸戦争は1カ月で終わったが、今回のウクライナ危機はすでに1カ月経ったが、終わりが見えない。
株価が一時的に上昇していたとしても、急落も意識しておいた方がいいだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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