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オフィス回帰か、企業の2割「在宅勤務とりやめ」 「生産性低下」など要因
東京商工リサーチが「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」。緊急事態・まん延防止の解除後、約2割の企業が「出社率引き上げ」「コミュニケーション不足」や「生産性の低下」が理由。[写真拡大]
コロナ禍で在宅勤務・リモートワークが一気に普及した。働き方改革の中で制度だけは用意されていたリモートワークだが、実際の利用者は数パーセント程度で普及には至らなかったが、2020年春からの新型コロナウイルス感染症の流行の中で緊急避難的な対応として導入が進み、大企業を中心に一定の普及を見た。コロナ収束後の継続意向も少なくない一方で、21年9月の宣言解除後に出社率の引き上げや在宅勤務のとりやめなどオフィス回帰への傾向も増えているようだ。理由は「従業員間のコミュニケーション不足」や「生産性の低下」などで、在宅勤務が定着するためには多くの課題が残っているようだ。
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東京商工リサーチが21年12月上旬に実施した「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」(有効回答7446社)の結果レポートを23日に公表している。これによれば、「新型コロナが企業活動に影響しているか」という問いに対して、「影響が継続している」と答えた企業の割合は66.4%となっており、未だ3社に2社がコロナの影響を受けているようだ。
9月の宣言解除後の「在宅勤務・出社率の方針変更」について聞いた結果では、「出社率を引き上げた」は13.5%、「在宅勤務をやめた」5.8%となっており、約2割の企業で「出社率引き上げ、在宅勤務とりやめ」を行っているようだ。ちなみに「変更なし」は37.6%、「在宅勤務を導入していない」は41.8%となっている。規模別では「出社率引き上げ」は大企業で28.5%、中小企業で10.4%、「在宅勤務をやめた」大企業で7.4%、中小企業で5.4%となっており、大企業ほどオフィス回帰の傾向が顕著になっている。
「出社率を引き上げた」、「在宅勤務をやめた」と回答した企業にその理由を複数回答で聞いた結果では、「感染リスクが低減されたため」が73.0%で最も多く、次いで「従業員間のコミュニケーション不足」が48.6%、「生産性が低下したため」26.1%と続いている。緊急避難的に導入された在宅勤務だが感染リスクの低下で「コミュニケーション不足」や「生産性の低下」、「労務管理の複雑化」、「セキュリティの問題」、「電子化の遅れ」など様々な課題が浮き彫りになりオフィス回帰が進んでいるようだ。今後これらの課題が払拭され在宅勤務が定着するのか、あるいはこのままオフィス回帰が進むのか動向が注目される。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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