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冴えない相場の原因はオミクロン株?/後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;27750.67;-184.95TOPIX;1927.75;-8.99
[後場の投資戦略]
日経平均が一時プラス圏に浮上するなど、前場中頃までは、前日の米株市場の下げに比べて東京市場の相対的な安定さが感じられたが、引けにかけては大きく失速するなど、嫌な流れとなった。28000円手前での上値の重さも確認されており、早い段階で同水準を回復できないと、ここが戻りの目処とされ、上値が一層重くなることが懸念される。
また、気掛かりなのはマザーズ指数。前日にかけて6日続落しており、日足チャートでは陰線が連続しており、チャート形状の悪化が著しい。本日は前引けにかけて3%を超える下落率となっている。また、直近非常に強い動きを見せていたFRONTEO<2158>やアスタリスク<6522>、GRCS<9250>などが、ここ数日は軒並み急落するなど嫌な動きも確認されている。個人投資家の含み損益も相当に悪化していると推察されよう。
前日の米株市場は、大幅上昇からの引けにかけての大幅下落で、指数が上下に3~4%も動く非常にボラタイルな相場展開だった。米国で初のオミクロン株感染者が確認されたとの報道が伝わったタイミングから急速に下げ足を速めたとされているが、下落の本質的な要因はそこではないような気がする。
そもそも、感染が伝わる前には、WHOがオミクロン株に対するワクチンの有効性を示唆しており、マーケットはむしろオミクロン株に対する見方が警戒から楽観に傾いていたわけで、感染者の確認が売り材料につながるとは考えにくい。結局、要因としては、やはりFRBの金融引き締めに対する警戒感が大きいのだろう。前日、パウエルFRB議長は上院銀行委員会での証言に続き、下院金融サービス委員会での証言で、テーパリングを当初よりも早期に終了することが適切になる可能性を再表明した。内容は前の日の繰り返しに過ぎないが、マーケットでは、長らくFRB内でハト派とされてきたパウエル議長が、タカ派にシフトしてきたことに対する動揺がまだ収まっていないのだと考えられる。
良く捉えるならば、今回の証言により、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)が相場の大きな調整要因になるリスクは小さくなったもといえる。ただ、14日からの今年最後のFOMCでは、ドットチャート(政策金利見通し)なども公表されるため、FRBのタカ派度合いを計るという観点からすれば、依然、イベントとしての注目度は高く、これを消化するまでは、相場はしばらく神経質な展開が続きそうだ。その間には、オミクロン株に関する報道も攪乱要因として動き増幅させる可能性があろう。
さて、後場の日経平均は上値が重いながらも、下値もそれなりに堅く推移しそうだ。香港ハンセン指数などのアジア市況がまずまずしっかりしていることに加え、時間外の米株価指数先物が緩やかながら上げ幅を拡げている。これらを支えに日経平均については、せめて28000円回復の手掛かりはつかんでほしいばかりだ。《AK》
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