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都を提訴した飲食品店チェーン:グローバルダイニングに関する一考察
東京都(小池百合子知事)を提訴したグローバルダイニング(以下、GD)が7月30日、今12月期の中間決算を発表した。モンスーンカフェ(エスニック料理)店や権八(和風レストラン/米ブッシュ元大統領が訪日の折に時の小泉純一郎首相が接待したことで一躍知られるようになった)店をチェーン展開するGDは、今12月期は「環境不透明」とし「売上60~70億円、5億円損失~0」で立ち上がった。
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だがこの日発表された中間期実績は「売上高47億円(前年同期比92.3%増)、純益5億円(前年同期9億円の赤字)」。通期予想も「67.4%増収(94億円)、営業利益7億8100万円(前期11億7500万円損失)」と上方修正した。会見に臨んだGDの中尾慎太郎CFOは、理由を「緊急事態宣言下、まん延防止等重点措置の中でも営業を続けた結果」と言い放った。この決算が注目を集めた理由は・・・
3月21日の「緊急事態宣言終了」間際になり、東京都は時短要請を無視していた27店に対し時短営業命令を出した(罰則金:1店30万円以下)。27店舗中26店が、GDが運営する店舗だった。これを契機に、GDは都に損害賠償を求める訴訟に踏み切った。
ゆえに動向が注目されていた。私は4つの観点から、興味を抱いていた。
(I)「憲法」と、いわゆる「改正コロナ特措法」の関連。日本国憲法では第22条第1項で、「居住・移転及び職業選択の自由」を明記している。対して特措法では「緊急特別事態」を前提に「飲食業への時短(休業)要請、従わない場合は罰則行使」を認めている。極論かもしれないが、「特措法」の名のもとでは「憲法」が形骸化しかねない。この事由に関してせめて「憲法改正論」の方向性ぐらいは、為政者は発するべきではなかったか!?
(II)前記の通りGDにあらためて緊急事態宣言終了の間際になり、何故「時短営業命令」を出したのか。行政の要請に従わないが故のスケープゴート(生贄)としか思えない。権力を有する側の「ブラフやスケープゴート容認」は民主主義の根幹を揺らがしかねない。
(III)提訴に当たってGD側の弁護団長になったのが倉持麟太郎弁護士。倉持氏の存在を初めて知ったのは、2017年。週刊文春の記事が発端となった山尾志桜里衆議院議員とのW不倫騒動。30歳代前半で「国会議員とのW不倫」に当時は不謹慎ながら、「凄い奴がいるものだ」と妙に感心したものだ。今回のGDの都提訴に関しては、創業者社長の長谷川耕造氏は「当初、視野になかったはず」と関係者から聞いた。だが倉持氏が言っているように「長谷川氏とコンタクトをとったのは、提訴から10日ほど前」。2人の間にどんな遣り取りがあったのか。いまもって興味深い。
(IV)倉持氏が率いる弁護団は訴訟費用を、クラウドファンディング(CF)で集めた。3200人から2300万円が集まったという。応募したのはGDそして飲食業界に対する行政のやり方に「ノン」を突き付けた人達なのだろうか!?
GDが中間決算を発表した翌日に当たる8月2日の株価は終値479円。前日比8円安。日経平均が大幅高となる中1.64%の値下がり。この限りでは株価の反応は「出尽くし感」ということなのだろうか!?(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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