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紫外線が新型コロナウイルスを不活性化する仕組み解明 理研など
波長253.7nmの紫外線照射によるウイルスRNA損傷を示す概念図(画像: 理化学研究所報道発表資料より)[写真拡大]
理化学研究所、日本大学、東京大学などは5日、紫外線が新型コロナウイルスを不活性化する仕組みを解明したと発表した。研究グループによれば、紫外線は新型コロナウイルスの変異株やこれから登場する可能性がある未知のウイルスに対しても、不活性化する効果を持つことが期待できるという。
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■紫外線による新型コロナウイルスの不活性化
新型コロナウイルスは、飛沫やエアロゾルに含まれるウイルスだけではなく、机や壁など物体の表面に付着したウイルスなどからも感染する。
そのため、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、さまざまな空間、物体の表面、液体などに対応できる紫外線が注目されてきた。
だが紫外線によって新型コロナウイルスが不活性化することは、すでに確認や実用化されているものの、その不活性化の仕組みについてはよく解っていなかった。
■紫外線がRNAを破壊して不活性化
研究グループは、新型コロナウイルスを含む液体培地に30cmの距離から紫外線(波長253.7nm、放射照度500μW/cm2)を30秒照射した。すると、新型コロナウイルスの感染力が照射時間に応じて低下。30秒の照射で99.99%感染力が低下することが確認された。
だがその後、電子顕微鏡を使って観察したところ、ウイルス粒子の形状には変化は全くみられなかった。また、スパイクタンパク質などのウイルスタンパク質の量を調べたところ、やはりその量に変化はなかった。
新型コロナウイルスはRNAウイルスであり、その遺伝子はDNAではなくRNAであるわけだが、研究グループが新たに開発したqPCR法(ウイルスゲノムの全領域をカバーする)を用いて、ウイルスRNA量を調べたところ、その量が紫外線の照射時間に応じて減少したことが判明。感染力の減少と非常に高い相関関係があることが確認された。
すなわち、紫外線の照射によって、新型コロナウイルスのRNAが破壊され、不活性化することが世界で初めて示された。
研究グループでは、紫外線は新型コロナウイルスの変異株やこれから登場する可能性がある未知のウイルスの不活性化にも有効性が期待でき、「Withコロナ」あるいは「ポストコロナ」の社会において、安全・安心なクリーン空間を構築するための有効なツールとなることが期待できるとしている。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る)
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