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職場での孤独感が離職のリスク高める 世界で初めて確認 東大
東京大学は2月28日、仕事における孤独感が離職のリスクを高めることを、世界で初めて確認したと発表した。
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過去1カ月の仕事における孤独感について、ほとんどいつもあった者とほとんどなかった者を比べると、ほとんどいつもあった者の離職率は2.46倍高かったという。
研究グループでは、離職を防ぐためには、企業が仕事における孤独感の防止や改善に努める必要があるとしている。
■仕事における孤独感と離職の関係
これまでも仕事における孤独感が仕事に対する満足感を低下させ、生産性の低下をもたらすことはわかっていた。なおここでの仕事における孤独感とは、「職場環境における良質な対人関係の欠如を認識することによって引き起こされる苦痛」をいう。
また職場における孤独感が離職の意思を強めることもすでに示されていたが、実際の離職に繋がるかどうかについては、明らかになっていなかった。
■706名を6カ月間追跡調査して検証
そこで研究グループは、日本国内のフルタイム労働者(正社員)706名について、2024年2月から2024年8月にかけて6カ月間の追跡調査を実施した。
まず研究グループは、「職場での孤独感尺度(Loneliness at Work Scale, LAWS)」など3つの自己記入式尺度を使って、仕事における孤独感を数値化。期間内に実際に離職した47名(6.7%)について、離職との関係を調べた。
その結果、仕事について孤独感をもっていると実際の離職に繋がるリスクが高まることが世界で初めて確認された。
特に過去1カ月の仕事における孤独感について、ほとんどいつもあった者とほとんどなかった者を比べると、離職のリスクが2.46倍高くなることが確認された。
研究グループでは、離職を防ぐためには、企業が職場における孤独感の予防や改善に努める必要があるとしている。
今後研究グループでは、職場における孤独感が離職のリスクを高めるメカニズムの解明などを進めていきたいとしている。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る)
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