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リチウムイオン電池、コロナ禍でもxEVが牽引 2桁成長に
矢野経済研究所が「リチウムイオン電池主要4部材の世界市場を調査。2020年の市場は前年比13.1%増の約230億ドル[写真拡大]
高出力かつ大容量の電池であるリチウムイオン電池は1991年にソニーが実用化して以来、パソコンや様々な家電製品、スマホまで多様な用途で用いられている。次世代の自動車はxEV(電気自動車)であるが、電気自動車にはリチウムイオン電池は欠かせない。既にEV市場は拡大傾向で推移しており、これに呼応してEV向けリチウムイオン電池の需要は急拡大するもようだ。
6月14日、矢野経済研究所がリチウムイオン電池主要4部材の世界市場に関する調査の結果レポートを公表しているが、これによれば、コロナ禍でも車載用や民生小型機器用は共に成長を維持し、リチウムイオン電池主要4部材世界市場は引き続き成長が続き、2020年のリチウムイオン電池主要4部材の世界市場の規模はメーカー出荷金額ベースで前年比113.1%の233億2219万1000ドルと推計している。
新型コロナ感染症が世界で流行し始めた20年の上期では、中国でも「良くて横ばい、もしくは前年割れの見込み」との見通しであったが、中国経済の早期回復によって、年後半から中国のxEV市場は急成長へとシフトし、通年では前年を上回るプラス成長となった。欧州でもドイツでのEV、PHEV購入のインセンティブ引き上げ政策が追い風となり、また、フランスやイギリス等でも電動車の購入支援策の延長が実施されるなど、欧州の主要地域でxEV市場は前年対比で大幅な成長となっている。
こうした中国、欧州の好調な状況により車載用リチウムイオン電池市場はコロナ禍でも成長を維持し、さらに、リチウムイオン電池材料市場も前年を上回る規模で推移している。一方、民生小型機器用のリチウムイオン電池はスマートフォン向けで前年割れが続いているが、電動工具や電動バイク、電動自転車向け等のパワー系セル等が新たな牽引役となっているようだ。さらに、20年は新型コロナの影響でテレワークやオンライン教育が広がり、これに伴いノートPCやタブレット端末などの需要が増加、これらに搭載されるリチウムイオン電池材料の需要も押し上げることとなったようだ。
21年以降も車載用も民生小型機器用もともに成長が期待され、21年も引き続き車載用セル向け需要を主な牽引役に市場は拡大を維持するとレポートでは予測している。こうした旺盛な需要を背景に20年末から21年第1四半期にかけて部材によっては価格上昇の動きも見られるようだ。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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