【株価診断】ニッポン高度紙は続急落も最高純利益の連続更新をテコに突っ込み買い有望

2021年5月6日 15:54

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ニッポン高度紙工業<3891>(JQS)は、大型連休の谷間の4月30日に210円安の3400円と続急落して引けた。同社株は、今年4月23日に3月期決算を発表し、前2021年3月期業績が、期中の再上方修正値を上ぶれて着地し、今2022年3月期純利益を連続の過去最高更新と予想し、市場コンセンサスを上回ったことからストップ高を交えて上場来高値3955円まで33%高した。しかし、この急騰で好業績は織り込み済み、さらに大型連休を控え利益確定売りが先行し今度は、2営業日で14%超の急落と荒い値動きとなった。しかし米国のバイデン大統領が、4月23日まで開催した気候変動首脳会議でEV(電気自動車)シフトが世界的な合意となったことなどから、同社の車載向け大型リチウム電池用のセパレートの優位性への見直しが続き、依然としてテーマ株の一角に位置することは変わらず、大型連休明けの仕切り直しでは突っ込み買いも一考余地がありそうだ。

■コンデンサー用、電池用セパレートとも車載向けが続伸

 同社の前2021年3月期業績は、昨年11月の2回目の上方修正値を上ぶれて着地し、純利益は20億600万円(前々期比2.90倍)とV字回復し、2期ぶりに過去最高を更新した。続く今2022年3月期業績は、売り上げ168億円(前期比5.5%増)、営業利益30億円(同8.6%増)、経常利益30億円(同7.3%増)、純利益21億円(同4.7%増)と予想され、純利益は連続して過去最高を更新、市場コンセンサスも上回る。

 コンデンサー用セパレータの売り上げが、車載向けや5G基地局・データセンター向けに前期比5.3%増の126億円、電池用セパレータが、風力発電、スマートメーター向けの電気二重層キャパシタ用、車載向け大型リチウム電池用などに同6.2%増の42億円とそれぞれ続伸することなどが寄与する。欧米、中国を中心に新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の普及で、経済活動が正常化し自動車生産が回復、さらに脱炭素社会実現に向け、EV導入の加速なども想定され、前期業績と同様に今期業績の上ぶれ推移期待も高まってくる。配当は、前期に年間22円(前々期実績20円)に増配したが、今期も22円配当を継続予定である。

■PER17倍の修正で急騰特性を発揮して最高値奪回から上値トライ

 株価は、前期第1四半期業績のV字回復でストップ高し、昨年10月の前期業績の1回目の上方修正でもストップ高し、今年1月の前期業績の2回目の上方修正では年初来高値3570円まで約5割高し、足元では新型コロナウイルス感染症の緊急期待宣言の3回目の発出が響いて25日移動平均線を出没する値固めを続け、4月23日の好決算発表とともにまたまたストップ高した。足元では中堅証券会社が引き上げた目標株価を上に突き抜けたことで利益確定売りに押されているが、PERは17倍台とジャスダック市場全銘柄平均の29倍を下回り割安である。急騰特性を発揮して上場来高値3955円奪回から上値トライを強めよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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