ポテチ2位の湖池屋が、「一皮むけた存在」になりつつある!

2021年4月30日 07:17

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 袋から取り出し食卓に出てくるから、好きな酒肴の1つであるポテトチップスがカルビーのものなのか湖池屋のものなのか分からない。が、湖池屋のポテトチップスは「カルビーに次ぐ業界2位」だが、「量産化」「上場」では湖池屋が一歩先んじていたことは承知していた。

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 企業・業績欄にはカルビーに関し何回か投稿している。市場2位の我が酒の友を世に送り出している?湖池屋についても、もっと知りたくなった。調べてみて、いくつか興味深い事実を知った。
 
 社名:故小池和夫氏により1953年に、「おつまみ」製販会社として創業された。ちなみにポテトチップスの量産化は62年。小池氏は長野県諏訪市出身。澄んだ水を湛える諏訪湖が好きだった。諏訪湖の「湖」を姓名の「小」に置き換え、湖池屋とした。

 上場:2004年にJQ市場に菓子メーカーとして初めて株式を公開。小池氏は上場後5年後の09年に他界している。満足だったろうと思う!?

 転換期(I): 11年に日清食品ホールディングスと業務・資本提携をしたことを契機に、日清食品HDの連結子会社となっている。

 転換期(II): 現社長の佐藤章氏が社長に就任している。日清食品HDのCEO:安藤宏基氏の施策だった。その狙いは佐藤氏のキャリア、「思考法」から読み取ることができる。

 佐藤氏は現キリンホールディングスに入社後、キリンビバレッジで頭角を現す。佐藤氏を知るアナリストは「FIRE(缶コーヒー)、生茶のヒット製品を手掛けた」とし、「斯界の誰もが認めるマーケターだった」とする。

 キリンHD執行役員兼キリンビバレッジ社長に上りつめた佐藤氏のマーケターとしての持論に着目した。佐藤氏はこう語っている。「クラスター(集まり・群れ)を見つける必要はない。万人のニーズを満たす必要はない。誰かが熱狂的に愛してくれるものを生み出すマーケティングが肝要だ」。

 安藤氏は、多々の商品を世に送り出してきた湖池屋に欠けているものを、佐藤氏の発想に求めたのだと言える。2016年、佐藤氏は湖池屋の社長に就任した。そして翌17年には、独自のマーケティング理論に基づいた「KOIKEYA PRIDE POTATO」の発売を牽引している。

 佐藤氏の考え方がどこまで浸透するか。それが「湖池屋」を「一皮むけた」存在に止揚する鍵になろう。

 湖池屋の収益動向は「堅調」。「コロナ禍が外出自粛を促した」ことが要因として指摘される。湖池屋でも、そうした見方を否定はしていない。だが興味を覚えるのは前期も今期も中間期開示時点で、「連続の上方修正」をしている事実だ。湖池屋で何かが着実に変わり始めている、と捉えるのは考えすぎだろうか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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