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野村HD、ブロック取引で多額の損失か 株価急落
●一時15%下落
野村ホールディングス(HD)は29日、米国の子会社が顧客との取引で多額の損失を受けた可能性があると発表したことを受けて、株価が前営業日比約15%下落した。野村の子会社の損失額は20億ドル(約2200億円)規模とも言われている。
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ブルームバーグなどのメディアによると、野村HDの子会社の顧客であるアルケゴス・キャピタルの巨額損失によって、ゴールドマン・サックスなどにより、ブロック取引が行われたと見られている。
ブロック取引は200億ドル(約2兆2200億円)規模となり、野村HDの広報担当者はコメントを差し控えるとしている。
●ブロック取引とは?
ブロック取引は、ブロックトレードとも言われるが、大口投資家が証券会社を通じ、同一銘柄を1度に大量の相対取引をすることである。
大口投資家が市場に影響を与えないよう、立会外取引で行うことが多い。取引社名は公開されず、その日の取引の終値で売買される。
高速取引等で値動きが激しく動くことが多い昨今、リスクヘッジの意味でも注目されている。
●どこまで波及するのか?
26日の米国株式市場では、ブロック取引の影響で他の銘柄も急落した。
米国上場の中国インターネット大手の百度(バイドゥ)、米国メディア大手バイアコムなども売られた。
スイス金融大手のクレディ・スイスも野村HD同様に多額の損失を出したと報じられており、損失額を特定するのは時期尚早としながらも、業績に重大な影響を与えた可能性があるとしている。
今回の大掛かりなブロック取引は、ゴールドマン・サックスだけでなく、モルガン・スタンレーも行ったとされている。
ブロック取引が市場に影響を与えないように行われていても、情報の拡散は早く、投資家の多くは知っている。次の取引が警戒されてしまうことは想像に難くない。
今回はアルケゴスショック、ブロック取引ショックになることも懸念されたが、翌営業日寄付は多少下落したものの、S&P500やNYダウ、日本株や中国株も、一部を除いて相場全体には大きな影響はなかった。
だがブロック取引は、今後もアルケゴス関連で行われる可能性もあり、他の銘柄も含めて、ブロック取引によりパニックに陥ることも、考慮に入れておいた方がよいだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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