NYの視点:今週の注目:米国債入札、2月CPI、PPI、ECB定例理事会、ラガルド総裁会見に注目

2021年3月8日 07:32

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記事提供元:フィスコ


*07:32JST NYの視点:今週の注目:米国債入札、2月CPI、PPI、ECB定例理事会、ラガルド総裁会見に注目
短期投機家・投資家の円の買い持ち高は前々週から大幅に減少し、年初来最小となった。

今週は引き続き米国債相場を睨む展開となる。NY州では映画館の営業が再開される。また、テキサス州などでパンデミック対処の全規制を解除する計画。カリフォルニア州でも野球場の営業を4月1日から再開する。また、ワクチン普及も進むため経済活動の再開が加速する。強い回復やインフレ上昇の思惑に米国債相場は引き続き軟調に推移すると見られ、利回りの上昇に伴いドルの高値を探る展開が予想される。インフレ動向を探るため2月消費者物価指数(CPI)や2月生産者物価指数(PPI)に注目。米連邦準備制度理事会(FRB)が特に注目しているコアのCPIは前年比で1.4%と1月と同水準にとどまる見通し。2%超の目標をかなり下回る。インフレへの警戒感が沈静化するとドル買いが一服する可能性がある。金利の上昇は歴史的にも最低の需要にとどまった7年債入札結果がきっかけとなったが、財務省が計画している3年債, 10 年債、30年債入札結果も重要となる。

また、欧州中央銀行(ECB)は定例理事会を予定している。欧州でも長期金利の上昇や利回り曲線のスティープ化が懸念となっている。一部メンバーはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の購入拡大で金利上昇を抑制する必要性を主張。一方で、デギンドス副総裁やバイトマン独連銀総裁は、今のところ利回りの上昇に大きな懸念を表明しておらず、速やかな行動の必要性をFRBと同様、否定している。ラガルド総裁の会見で、イールドカーブコントロールの可能性を探る。総裁が利回りの上昇抑制に前向きな姿勢を見せると、ユーロ売りに圧力がかかる。

■今週の主な注目イベント
●米国
1月卸売売上高・在庫(8日)、2月消費者物価指数(CPI)(10日)週次新規失業保険申請件数、1月JOLT求人件数(11日)、2月生産者物価指数(PPI)、ミシガン大消費者信頼感指数(12日)などが予定されている
10日:2月CPI、テキサス州、ビジネス100%営業再開

●欧州
11日:ECB定例理事会、ラガルド総裁会見
12日:独2月CPI

●英国
8日:ベイリー英中銀総裁、経済見通しに関し、規制緩和開始
12日:1月GDP、1月鉱工業生産、1月貿易

●日本
9日:10-12月期GDP

●中国
10日:2月PPI、2月CPI

●カナダ
10日:金融政策《FA》

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