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パナソニックが太陽電池から生産撤退 島根工場は21年度中に終息
パナソニック、太陽電池の生産撤退について発表。マレーシア工場および島根工場における太陽電池の生産終息を決定[写真拡大]
パナソニックが太陽電池生産事業から撤退することを決定した。太陽電池事業はFIT(固定価格買い取り制度)における太陽光発電の買い取り価格が引き下げられたことで国内需要が大きく縮小し、中小事業者の経営破綻や撤退が相次ぎ、パナソニックでも2016年以降、赤字が続いていたようだ。さらに国際的にも中国メーカーの低価格攻勢で、採算性の回復は難しいと判断、不採算部門からの撤退を推し進めているパナソニックは内外の太陽電池生産事業からの完全撤退を決定したようだ。
2月1日、パナソニック、ライフソリューションズ社はプレスリリースで、マレーシア工場および島根工場における太陽電池の生産終息を決定したことを公表、21年度中に太陽電池の生産から撤退し事業構造改革を完了する予定だ。終息させる分野は、住宅用、公共・産業用太陽電池の生産で、二色の浜工場における特定顧客向け太陽電池、福島工場における時計、電卓向けなど民生用太陽電池の生産は継続する。
マレーシア工場は、21年度中に太陽電池ウエハ、セル、モジュールの生産を終息、建物、土地などの資産については譲渡を検討し、マレーシア工場の現地法人であるパナソニック ソーラー エナジー マレーシア株式会社は清算する。従業員に対しては割増退職金支払や再就職支援など誠意ある対応を行っていくとしている。
島根工場については、21年度中に太陽電池セルの生産を終息させるが、パワーコンディショナ、蓄電池などの生産は継続する。太陽電池生産関連の従業員については同工場内を基本として今後成長が期待されている領域への異動により雇用を維持することとしている。これに伴い、二色の浜工場における太陽電池の研究開発機能は縮小し、関連人材については成長領域へシフトするとしている。なお販売事業については引き続き継続し、国内では生産委託などによるパナソニックブランドでの販売を継続、海外では北米などで実施している外部調達による販売を継続する。
パナソニックは太陽電池生産事業から撤退するものの、HEMS、太陽電池、パワーコンディショナ、蓄電池、電気自動車用充電機器などを組み合わせたエネルギーソリューション事業を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していくとしている。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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