コンビニ大手3社とトヨタ+日野連合が燃料電池トラック配送の実証実験開始

　コンビニ大手のセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの3社と、トヨタ自動車、日野自動車の5社が共同し、地球温暖化抑制やエネルギー多様化等に対応した持続可能な社会の実現に向け、燃料電池(FC)小型トラックの導入を視野に検討を進めるとともに、将来の普及に向けた環境整備に取り組むことで合意したと発表した。

　合意内容の大筋は以下のとおり。

　まず、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンは、トヨタと日野が共同で開発するFC小型トラック(最大積載量3トン)の導入検討にあたり、実用性・利便性を検証するために、2021年に走行実証を行なう。そして、走行実証による評価を踏まえ、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンは、複数の配送センターや店舗間物流でのFC小型トラックによる配送が、ビジネス的・社会的観点において実用化可能かどうかの実証を、2022年以降行なうための検討を進める。

　また、将来のFCトラック普及に向けて、2022年以降も引き続き、市場での使用実態を通じて、水素ステーションの配置、水素供給・充填能力や営業時間などの利便性、さらには車両購入や水素燃料代などの課題の洗い出しを行なう。

　あわせて、これらの諸課題に対する改善策を提案するとともに、国・自治体・水素ステーション事業者などとも協力し、将来のFCトラックの大量導入によるCO2排出量削減につながる有効な仕組みづくりのために必要な支援、協力体制等について検討を進める。

　市民生活を支える重要な流通業態であるコンビニエンスストアの物流は、日々のトラック稼働によって成り立つ。なかでも、弁当などの食品を配送する輸送トラックは、1日複数回の配送業務を行なうため、長時間使用・長距離走行が求められる。

　こうした使用環境においては、航続距離と積載量、そして短時間での燃料供給が必要となるため、エネルギー密度の高い水素を燃料とするFCVが有効であると考えられる。

　トヨタと日野が開発するFC小型トラックは、航続距離400km程度を目標とし、環境性能と商用車として求められる輸送効率を高次元で両立することを目指している。

　また、水素の需要拡大に向けては、FC乗用車に比べて水素使用量が多く、使用用途に応じた走行距離の把握や水素充填対応など計画的な運行管理が可能なトラックやバスなど商用車のFC車両の導入が期待さるが、本格普及に向けては、車両価格・水素価格の低減、水素ステーションの利便性向上など課題は多い。

　こうしたなかで、冒頭5社共同で国や自治体、水素ステーション事業者などとの連携を図り、物流現場でのFC小型トラックの運用を通じて様々な施策を検討して課題の改善や解決に取り組むというのが、今回の実証テストだ。同時にトヨタおよび比には、小型トラックのみならず商用車や乗用車を含めたFC車両の普及に向けた環境整備を推進してくとしている。(編集担当:吉田恒)

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