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水素が本命だ!
Photo:2020年12月9日発売のFCV車 トヨタ新型MIRAI(画像: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]
●水素が主燃料に
日本経済新聞の12月8日1面トップに、「水素30年に主要燃料に」目標1000万トン国内電力1割分と、大々的に報道された。
【こちらも】水素が「宇宙一クリーンなエネルギー」 現実化に近づく
2020年8月13日付、『水素が「宇宙一クリーンなエネルギー」現実化に近づく』に述べた如く、「宇宙で一番クリーンなエネルギーは、太陽光発電で得た電気を用いて、水を電気分解して取り出した水素だ」としたBMWに共感している。
従って、2020年6月4日付、『究極のクリーンカーその1 燃料電池車』で述べた如く、本当に地球環境に優しい、究極のクリーンカーは「燃料電池車」と「水素エンジン車」しか存在しないとの確信がある。
●ガソリン車の新車はゼロ?
同紙は、12月3日には「ガソリン車 新車ゼロへ」「経産省目標30年代半ばに」「電動車に切り替え」とあり、解説部分には「電動車」として、「動力源に電気を使う自動車の総称。電気自動車(EV)のほかにハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FVC)の計4種類がある。ガソリン車に比べて二酸化酸素(CO2)の排出量が少ない」としている。
12月4日には、「自動車に排出枠取引制度」「20年代後半 販売目標課す」「新車、30年代全て電動車に」と、立て続けに「内燃機関」を否定する様な報道がなされるのが世間の動向だが納得が行かない。
筆者は以前からいっているが、EV車が従来車の主流であったガソリン車に置き換わる事は決して無いと考えている。
●生き残るべきEV車
EV車には4種ある。
1)テスラや日産リーフの様な、車載電池でモーターを駆動するだけの単なる『電気自動車』
2)BMWi3の様な『レンジエクステンダー』
3)トヨタプリウスPHVやアウトランダーPHEVに代表される『プラグインハイブリッド』
4)日産ノートe-POWERの様な『シリーズHV』
筆者が否定する電気自動車(EV)は、テスラや日産リーフの様な、車載電池でモーターを駆動するだけの、単なる『電気自動車』である。
●内燃機関が必須のEV
上記4種のうち、2)~4)はいずれもガソリンエンジンを搭載している。
*「ガソリンエンジン」と「電動モーター」のコンビネーションで走る「ハイブリッド車」。
*普段は「電動モーター」で走っているが、EV車の致命的な欠陥である「一充電走行距離」問題を解決する為に「ガス欠」ならぬ「電欠=バッテリー上がり」した場合に頼る「ガソリンエンジン」を搭載した車。
*「ガソリンエンジン」を発電用に使って「電動モーター」で走る車。
つまり内燃機関無しで成立しない、「内燃機関と電動モーターが一緒になって稼働する車」か、単なる「電気モーター駆動車」でしか無い。
だからこそ、いずれのシステムもガソリンや軽油といった液体燃料さえ補給すれば、航続距離の問題は起こらない。
経産省は「ガソリン車 新車ゼロ」を謳うが、「ガソリンエンジンそのもので駆動力を得て走る」車を禁止しても、「発電にガソリンエンジンを使用して、モーターで走って」も、実際にガソリンエンジンが稼働しているのだ。
●ガソリンエンジンを否定するなら
ガソリンエンジンを否定するなら、クリーンカーは「燃料電池車(FCV)」とガソリンの代わりに水素を直接燃やす「水素エンジン車」しか存在しない
水素なら、燃やしても(H2+O2=H2O)と、水しか排出しない。
●車載バッテリーの革命的進歩に期待
逆にいえば、本当にガソリンエンジンを無くしてしまえば、いつもいう通り、せいぜい300~400kmしか走れない、出先で「電欠=バッテリー上がり」した場合には邪魔な鉄の箱でしか無くなる様な車は、自動車として認め難い。
テスラや日産リーフの様な、車載電池でモーターを駆動するだけの単なる『電気自動車』は、現在のバッテリー性能が革命的な進歩を遂げない限り、稼働エリアを限定した配送車かコミューターとしてしか役立たず、メインのガソリン車と併有して、時々使う趣味の車以外は成立しない。
EVには、全固体電池とか、革命的な電池の実現に期待したい。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る)
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