コンビニの経営に公取委が警鐘! 本部は独占禁止法の適用を回避できるのか? (2)

2020年9月27日 14:18

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 2つ目には賞味期限経過商品のロス費用を、どうやって減少させるかという問題がある。コンビニ本部の得意文句は「欠品して販売機会を失わないように、商品は潤沢に並べて下さい」だ。

【前回は】コンビニの経営に公取委が警鐘! 本部は独占禁止法の適用を回避できるのか? (1)

 要するに加盟店が目いっぱいの仕入れを行えば、本部の売上が増える。販売見込み以上の仕入れをした加盟店は、賞味期限経過商品を廃棄処分するためロスになる。「恵方巻」のような商品であれば、賞味期限以前に売り時を失った時点でロスが確定する。

 賞味期限が間近に迫った商品にポイントを付けて販売促進策としたコンビニもあるが、如何にも小手先という感じは否めない。仕入れは売れ残りを出したり、販売機会を失ったりと、加盟店の経営にもろに影響するだけに、オーナーが自己責任で采配を振るべき分野だろう。どんな商店でも経営者が自分でやっていることだ。

 19年にはコンビニ本部の担当者が、加盟店に無断で商品を発注した事例が報告された。今までも、エリアの売上増を求める有形無形の圧力を受けていた本部担当者が、今までと同じ感覚でやったのではないかと指摘する向きもある。結局、本部には売れるか売れないかよりも、どれだけ多くの商品を加盟店に仕入れさせるかという意識が、圧倒的に強いということだ。

 コンビニの出店政策で罪深いのはドミナント商法だ。既に先行して営業している自社加盟店の側に新たな出店を行う。先行加盟店のオーナーに出店を持ちかける場合もあるが、謝絶された場合には他のオーナーを見つけてくるようだから、本部が決めた出店計画は覆らない。

 当該地域で既に日商70万円の売上がある優良加盟店Aであっても、近隣に新設店Bが出店されてはひとたまりもない。双方ともに頑張って50万円ずつの売上を計上するかも知れないが、既存店Aは大幅ダウンであり新設店Bは売上見込みに届かない。AもBも収益の上がらない、不満だらけの店になってしまう。競合するコンビニが乗り込んできたのならファイトも湧くだろうが、同じ看板の店であれば溜息しか出ないだろう。

 これに対して本部は当該地域の売上が30万円増加する。1年間なら約1億円の売上増だから、本部の利益も相応に増加する。

 賞味期限経過問題もドミナント問題も、本部と加盟店の間では利益相反関係になるから、本来より慎重に扱うべき問題だが、加盟店のオーナーを圧倒する力を有する本部には驕りがあるのだろう。そこには、チェーン本部が経営指導を行うという有難いキャッチフレーズの精神は、寸分も存在しない。

 コンビニ本部の力の源泉は契約だとする見方がある。多くの加盟店が本部のリクルートで新規営業を始める際に締結する契約書には、何千何万という加盟店を運営してきた本部の、数々のノウハウが蓄積されている。長年に渡って不都合な点を変更してきた本部と、法的な知識を持たずに脱サラで始めたオーナーの間には、隔絶した経験値の差が存在する。そんな本部が用意した契約書の意図を、契約の場に座って署名を求められたオーナーが読み解くことは不可能だろう。

 本来なら、事前に契約書(案)を受取って弁護士の知恵を借りながら検討すべき長期間の契約が、ほとんどの場合は契約担当者の儀式のような説明が行われて締結される。営業を開始して違和感を覚えたオーナーが疑問を口にしても、「契約ですから」といなされればこだわり続けることは難しい。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

続きは: コンビニの経営に公取委が警鐘! 本部は独占禁止法の適用を回避できるのか? (3)

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