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辛坊治郎氏を救った、新明和工業・US-2救難飛行艇 「1人の命も犠牲にしない」決意
2,000km弱の新明和・US-2の行動半径からすれば、1,200kmの距離は十分対応可能な範囲であった。しかし、辛坊治郎氏を救助した時の波高4mは大変危険であった。着水できなかった1番機の任務を引き継いだ2番機が、少々海が凪いだ時に危険を冒して着水、収容、離水に成功し、見事に辛坊氏ら2名を救出している。映画のような命を懸けた救出劇だった。
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「事が起こる確立がほとんどない、日本のUS-2でなければ救出できない場面」がそこに起きていた。戦前の川西航空機から続く、多くの技術者、職人たち数万人が積み重ねてきた技術の集大成による成果の恩恵を受けたのが、辛坊氏だったわけだ。当時、救出された彼は感謝の気持ちを率直に表していた。
しかし筆者が納得がいかないのは、「ニュースキャスター」にすぐに復帰していることだ。復帰は悪いことではないし、彼の事故の原因も「運が悪い」としか言えない。だが多くの人の努力の積み重ねにより救われた命であれば、同じ「ニュースキャスター」であっても、特別な姿勢が感じられても良いと思うが、ここまで望むことは彼には酷なことであろうか?
そして、US-2による辛坊氏救出時と同様に、「1人の命も犠牲にしない」姿勢が国策であってほしいとすれば、現在の新型コロナウイルス感染拡大についての国の政策には、「多少の犠牲は仕方がない」とした姿勢にも、筆者には見えるのだ。「1人の命も犠牲にしない」、その勇気によって「ニュースキャスター辛坊治郎氏」が救われたのではないか?
辛坊氏には、1人の命のために自分の命を懸けた海上自衛隊の現場の隊員と、飛行機(US-2という日本が誇る飛行艇)を造り続けてきた技術者、職人の誇りを受け止めた言動をして欲しいと、筆者は願っている。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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