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パルマに見るトランクルーム業界「活況」の現状
時節柄「企業業績への懸念」が指摘される中、ストレージ(トランクルーム)関連業界は様相が異なるようである。
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パルマ(東証M市場)の前9月期は「67.8%増収、55.1%営業増益、50.2%最終増益、2019年1月の株式分割(1対2)を勘案すると連続増配」。そして今期も「49.2%増収(65億5200万円)、9.5%営業増益(5億5300万円)、9.8%最終増益(3億7100万円)、4円増配12円配」計画。手元にある四季報の業績欄の見出しも【着実増】。
パルマが展開する事業は主力の「ビジネスソリューションサービス」をはじめとして、3事業。
(I)ビジネスソリューションサービス: 要はトランクルーム業者と提携し、利用申し込み・使用料の入金管理・滞納管理/保証・残り置物撤去・集客を担う。
(II)ITソリューションサービス: Web予約決済・在庫管理システム「クラリス」を中心に、トランクルーム業者に対しASP(アプリのプロバイダー)による、ITシステムの提供&ITによる集客支援を手掛ける。
(III)ターンキーソリュウション:トランクルーム施設の開発・販売・運営・仲介事業。
前9月期の売上金額ベースでみると、(III)/(I)/(II)の順番。(III)が総売上高の約82%を占める。
各事業の「循環」性が興味深い。IIIによる物件増は、トランクルーム事業への仲介を経て、I・II事業の上乗せを生み出す。それもこれもトランクルーム業界の拡充が背景にある。パルマは業界(自社)の今後を、どう捉えているのか。今期計画の発表に際し、以下の様な見方を公にしている。
「既存のストレージ業者に加え、大手不動産会社や国内の機関投資家からの資金流入が活発化している。不動産投資の在り様として(パルマが得手・主力とする)建物型ストレージ市場は、引き続き拡大していくと想定している。郊外の不稼働不動産や相続不動産の増加もフォローの風と受け止めている」。
斯界を知る不動産関連メディアの記者は、こう説明する。「これまでは1案件が50室から60室が中心だったが、機関投資などの資金の活発な流入で150室前後の大型施設が主流になりつつある。パルマにとっては好材料。施設用の土地開発で張り巡らしてきた情報網が活かされている。最近で言えば東京・練馬の土地取得などに象徴的だ」。
株価もその当たりを映し出している。年初来高値は1243円(1月20日)、コロナウイルス禍相場で459円まで値を崩したが本校作成中の時価は800円台前半まで戻している。先の記者は「今期のROEは19%超の計画。儲かる仕組みに身を置いていると言える」とした。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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