【注目銘柄】キリン堂HDは「巣ごもり消費」関連株人気を業績上方修正が支援し続伸

2020年8月5日 08:07

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 キリン堂ホールディングス<3194>(東1)は、前日4日に37円高の2794円と続伸して引けた。この日も東京都の新型コロナウイルス感染症の感染者が309人確認され、8日連続の200人超となっており、とくに同社の主力エリアの関西で大阪府の吉村洋文知事が、独自に一部地域の飲食店の休業や営業時間短縮を要請したことから、外出自粛で「巣ごもり消費」が再び盛り上がるとして関連株買いが増勢となった。同社は、今年7月10日に今2021年2月期業績を上方修正し、連続して過去最高業績を更新し、ドラッグストア業界でカワチ薬品<2664>(東1)と並んで最割安グループであり、値ごろ的に低位にありこの比較感も買い手掛かり視されている。

■2Q業績の上方修正幅を通期業績が下回り再上方修正も有力

 同社の今2021年2月期業績は、今年7月10日の今期第1四半期(2020年3月~5月期、1Q)決算発表時に、今期第2四半期(2020年3月~8月期、2Q)累計業績と2月期通期業績とをともに上方修正した。このうち通期業績は、期初予想より売り上げを10億円、営業利益、経常利益を2億2500万円、純利益を3億1000万円それぞれ引き上げ、売り上げ1350億円(前期比1.4%増)、営業利益34億1000万円(同21.9%増)、経常利益41億5000万円(同11.8%増)、純利益21億7000万円(同21.4%増)と増収増益率を伸ばし、前期に続く過去最高更新となる。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い「巣ごもり需要」が発生し、マスク、消毒・除菌剤、ハンドソープや食料品などの雑貨類の販売が増加したことが要因で、1Qの雑貨類は前年同期比15.8%増となった。

 この業績上方修正は、増額幅が2Q累計業績より通期業績の方が小幅にとどまっている。新型コロナウイルス関連商品の需要が変動するほか、下期に化粧品の需要低下や調剤の処方箋枚数の減少、さらに出店の遅れなどから保守的に見込んだためだ。しかし一般食品や日配商品のカテゴリー強化に向け欠品や過剰在庫の解消を目指してシノプス<4428>(東マ)のドラッグストア向け発注システム「sinops-DgS」を今年11月から全店舗に導入する予定でもあり、この寄与も加わり通期業績が、2Q累計業績並みに上ぶれる可能性もある。通期純利益が、2Q累計業績の上方修正幅となるとすると25億5000万円となり、今後の業績推移が注目される。

■25日線で下値を確認し業界最割安の修正で2年ぶり3000円大台も

 株価は、今年3月に突っ込んだ年初来安値1314円から今期業績の続伸・連続増配予想で2560円まで38%高し、いったん2251円と25日移動平均線で下値を確認する調整となったが、今期業績の上方修正で年初来高値2965円まで31%高の2段上げをし、足元では再び25日線で下値確認中である。PERは14倍台とドラッグストア業界でカワチ薬と並んで最も出遅れており、値ごろ比較感からも3000円台にあるカワチ薬を追撃して年初来高値奪回から2018年7月以来の3000円大台での活躍が有力となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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