「トヨタ・ヤリスクロス」と「日産・キックス」で見える企業としての実力差

2020年6月30日 07:09

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日産・キックス(画像: 日産自動車の発表資料より)

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  • トヨタ・ヤリスクロス(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

 日産・キックスは「新型車」とは言えないのが実情だ。4年ほど前の2016年から、すでに南米や中東では販売されていたからだ(e-POWERはタイのみ)。今回は、日本発売に際してマイナーチェンジしたようなものだ。もちろん、日産・ジュークとの兼ね合いがあったようだが、日本市場活性化の積極性が日産には見られない。今回、ジュークを販売停止とし、その代わりにキックスで新車効果を狙っているのであろうが、開発の能力不足が心配される。

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 日産・キックスでは、今後1.5リットル3気筒ガソリンエンジン車、1.6リットルニスモ仕様などの発売が待たれるが、現時点では予定は未定とのことだ。

 一方、トヨタ・ヤリスは、早くもGR仕様を加えた。しかも、「RZ」「RS」「RC」とバリエーションを揃えてきている。さらに「トヨタ・ヤリスクロス」について、ヤリスとボディデザインを全く変えて用意してくると発表した。トヨタにとって、プラットフォームが共通であれば、ボディデザインを変えることはコストアップにつながらないようだ。このあたりがトヨタと日産の具体的な実力差となって表れているのであろうか?

 トヨタと日産のSUVのラインアップを見てみよう。キックスと競合する車種として日産にはジュークがある。キックスの日本投入においてはジューク販売停止の時期まで遅らせたと見えるが、実際にはジュークのモデルチェンジをする余力がないのかもしれない。

 一方、トヨタはC-HRなどを抱えており、ヤリスクロスを投入すると自社車種との競合となることが考えられる中で、併売を選んでいる。これからトヨタは販売チャンネル同士の競争ではなく、全車種を4販売チャンネルで併売するため、日産の考え方では競合すると見えるはずだ。しかし、トヨタの併売を見ると、日産が併売を避けるのは販売能力、生産能力共に制約が大きいように見える。トヨタには、さらに小型のライズもあるのだから。

 トヨタ・ヤリスクロス: 4180×1765×1560 ・C-HR: 4385×1795×1550
 日産・キックス: 4290×1760×1610 ・ジューク: 4210×1800×1595(販売停止)

 トヨタも日産も、グローバル市場を見渡して戦略を展開することは、すっかり縮小した日本市場の現状を見れば、やむを得ないと感じる。だが、日本市場に新車が不足している状況の日産は、発売を早めるべきであった。

 日産・キックス、トヨタ・ヤリスクロス共に売れ筋であり、主力製品となるのであろうが、「生産方式」ではまだまだ大差があるように見えるバリエーション展開である。「がんばれ日産!」。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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