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アメリカ大統領選の行方と政策から見る株価への影響 前編
2020年11月3日のアメリカ大統領選まで5カ月を切り、いよいよ共和党ドナルド・トランプ政権への審判が下ることとなるが、6月末現時点では、対立候補である民主党バイデン前副大統領の優勢が伝えられている。これは、民主党の対立候補が、想定よりも早い段階でバイデン氏に絞られたことも、その一因であろう。
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2月までの予備選・党員集会では苦戦を強いられていたバイデン氏であったが、サウスカロライナ州(2月29日)の予備選挙で圧勝したことから、潮目を変えることに成功した。同州の民主党有権者の過半数は黒人層であるため、この圧勝は、民主党としての重要な支持基盤である黒人層からの支持を、バイデン氏が勝ち取ったことを意味している。
奇しくもコロナ禍の前に民主党候補が絞られたことで、反トランプ政権=バイデン氏という分かりやすい構図が作られたため、トランプ政権のコロナウイルス対策に対する批判がバイデン氏の支持へとつながりやすくなっている。そして、黒人男性ジョージ・フロイド氏の事件が、バイデン氏へのさらなる追い風となっていることも間違いないだろう。
「Make America Great Again」を掲げて、全ての政治行為さえも「deal」するトランプ大統領は、自国第一主義を貫き、アメリカ経済のために邁進してきた。就任中、ダウ平均株価を10,000ドル以上押し上げてきたことは、何よりも分かりやすい成果である。アメリカの中央銀行であるFRBが、量的緩和政策からの出口戦略に取り組むことができたのも、国内の失業率が抑えられ、アメリカ経済が強固になっているという確信を得られたからこそであろう。
過去を振り返れば、2016年11月8日、前回大統領選当日のダウ平均株価の値動きが、トランプ大統領への期待を如実に示していたといえる。ヒラリー・クリントン氏優勢の下馬評を覆し、トランプ氏の優勢が伝わるたびに株価は下がり続けたが、トランプ氏が当選確実となるや、株価は急反発して取引を終えた。これは、トランプ氏の掲げていた公約が、アメリカ経済にとってはプラスであると判断されたことに他ならない。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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