日銀利上げ観測で変わる資産選択 新NISAに「債券」という選択肢が加わる意味

2026年6月9日 17:27

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 日銀の利上げが、次の局面に入ろうとしている。0.75%まで来た政策金利が、いよいよ1%をうかがう。

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 この変化は、来年の新NISAにも及ぶ。2027年から、つみたて投資枠の対象が広がり、株式を含まない債券型の投信も選べるようになる。株式中心だった初心者向けの枠に、「守り」の一手が加わる。

■なぜ今、債券なのか

 日本銀行は6月15〜16日に金融政策決定会合を開く。時事通信によると、植田和男総裁は3日、「利上げの是非をしっかりと議論する必要がある」と述べ、早期の利上げを検討する考えをにじませた。

 追加利上げ観測が強まり、これまで地味だった「債券」に関心が集まりつつある。

 債券は、国や企業が資金を借り入れるために発行する証券だ。買い手は保有期間中に利息を受け取り、満期に額面が戻る。利息の割合が利回りだ。

 金利が上がると、新たに発行される債券(新発債)の利回りも高くなる。財務省の国債金利情報によれば、新発10年国債利回りは2024年春の0.7%前後から、足元では2.7%前後まで上昇した。

 同じ金額でも、受け取る利息は増える。利上げが続く間は、債券の魅力が高まる場面だ。

 ただし、見落とせない点がある。すでに発行された債券の価格は、金利が上がると下がりやすい。利息の低い既存の債券が、利回りの高い新発債に見劣りするためだ。「金利が上がれば債券は無条件に有利」ではない。これから持つ債券ほど、条件は良くなる。

■債券型の解禁で何が変わるか

 現行のつみたて投資枠は、主として株式に投資する投信が対象で、純粋な債券型は基本的に選べない。金融庁によると、2027年施行の改正で要件が「主に株式又は公社債」に広がり、債券型の投信も対象に加わる見込みだ。

 意味は小さくない。これまで対象は株式中心に限られたが、改正後は振れ幅の穏やかな債券型も視野に入る。「元本割れが怖い」と投資に二の足を踏んでいた層にとって、踏み出すきっかけになりうる。

 ここで欠かせないのが、リスク許容度という考え方だ。自分がどこまで値動きに耐えられるかを指す。短期間で数%下がっても冷静でいられるか。近く使う資金か、長期で運用できる資金か。答えによって、取るべきリスクは変わる。

 相場の変動局面で積立を中断すれば、長期投資の効果は損なわれる。揺れを抑えることは、リターンだけでなく「続ける力」を確保する意味も持つ。

 株式100%の値動きが重いと感じる人にとって、債券やバランス型は現実的な受け皿になる。大きく増やす力は株式に譲るが、振れ幅が小さいぶん、相場が急変しても動じにくい。

 金利の上昇は、これまでの積立投資の前提を変えつつある。債券は高い成長を狙う資産ではないが、揺れを抑え、運用を安定させる役割を担う。株式を軸に置く——その前提が、静かに揺らぎ始めている。

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