トヨタ・RAV4 のPHV発表 本格的ラフロード性能を持つSUV EV走行95km可能

2020年6月6日 18:58

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昨年公開されたRAV4 PHVの米国仕様である「RAV4 Prime」(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

昨年公開されたRAV4 PHVの米国仕様である「RAV4 Prime」(画像: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]

 トヨタは4日、好評のクロスオーバーSUV、RAV4のプラグインハイブリッド(PHV)仕様を発売すると公表した。トヨタ・RAV4は、クロスオーバーSUVと言っても本格的オフロード性能も有しており、ミドルクラスSUVとして2019年4月の5代目発売以来、日本国内でも人気を博している。

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 そのプラグインハイブリッド(PHV)仕様であるが、バッテリーのみで最大95km(WLTCモード)の走行が可能だ。また、ガソリン55リッターの燃料タンク容量で、ハイブリッド(HV)燃費(WLTCモード)を利して最大1,300km以上の航続距離を持つ。これほどの航続距離が国内で必要かどうかは分からないが、世界のオフロードカーとしては頼もしい状態だ。

 パワーユニットは、新開発プラグインハイブリッドシステム「THS II Plug-in」と呼んでいる。これは、2.5リッター直4ガソリンエンジンにリダクション機構付きモーターを組み合わせている。前後モーターとエンジンによって、システム最高出力306PS(225kW)を発生する。これによりトヨタ・RAV4 PHV仕様は、0-100km/h加速6.0秒とスポーツカー並みの性能を獲得している。

 エンジン車に比較して、モーターは低速トルクが強大であるため、加速力に優れているのが特徴だ。これが純電動車(BEV)であると、さらに劇的に低速加速が強烈で、エンジンスポーツカーは必要がないと言えるほどだ。

 だがモーターは、最高出力が140km/hぐらいで急速に低下してしまうため、ドイツのアウトバーンのような高速走行では分が悪い。BEVでもミッションの装備などが提案されているのだが、それではBEVの強みである生産性と価格が上昇してしまうので、今のところリダクションギアで調整している程度だ。

 日本国内ではミッションの必要性は感じられない。むしろ、日産・リーフのようにFF車では、発進加速時前輪のホイルスピンが問題で、前輪が左右に暴れて低速からの加速時にはフルアクセルは踏めない。電子コントロールが必要である。

 トヨタ・RAV4のバッテリーは、現代の標準リチウムイオンで総電力量18.1kW、BEVでの最大航続距離95kmを可能としている。バッテリーのエネルギ集積率がもう少し上がってくると、いよいよBEVの実用性は高まり、インフラとして充電スポットの展開が進むと、ガソリンエンジンが無用となってくるだろう。

 ラゲッジスペースは490リッター(5人乗車時)を確保、これはスペアタイヤを搭載時である。本格的オフローダーの性能があるので、世界では用途が広がり、市場拡大が可能であろう。

 その一方で、都市型SUVの顔も備えている。外部給電はガソリン満タンの状態で1500Wの最大出力があり、約3日間は電力供給可能であるようだ。これだとアウトドア能力が高いだけでなく、非常時の給電も十分可能だ。現代のクルマらしくスマホとの連携もあり、運転支援システムも「Toyota Safety Sense」を装備している。都会派SUVとして乗り心地も良く、吸遮音材も見直されて装備は十分だ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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