第一三共、ベネッセHD、味の素など/本日の注目個別銘柄

2020年5月26日 16:12

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記事提供元:フィスコ


<5803> フジクラ 304 -18大幅反落。前日に業績予想の下方修正を発表、営業利益は従来の80億円から30億円に、国内設備の減損で最終損益は75億円の赤字から330億円の赤字としている。需要低迷や価格下落などによって、光ファイバーとFPCが低迷する形に。5月28日に予定していた決算発表は再延期するとしている。電線大手では古河電工などが決算発表受け急騰していただけに、1-3月期の一段の収益悪化には失望感が優勢となっている。

<4568> 第一三共 9351 +488大幅続伸。SMBC日興証券では投資判断を「2」から「1」に、目標株価も5500円から10500円に引き上げた。非小細胞肺がん薬と変異体非小細胞肺がんを適応症とした薬品などは、今後の開発動向により株価にアップサイドと考えているもよう。前者はピーク売上高8000億円(30年3月期)、後者はピーク売上高1400億円(同)を想定しており、成長ドライバーになると予想している。

<9783> ベネッセHD 2886 -344急反落。前日に20年3月期決算を発表、営業益は213億円で前期比30.9%増、先週末の上方修正値水準で着地した。21年3月期業績見通しは非開示で、配当は据え置き予想。4月の会員数は前年比で3.3%増、とりわけ、ボリュームの大きい小学講座は同6.7%増加した。注目された4月の会員数は順調とみられるが、小中学校の休校などで足元期待感が高まっていたことから、業績非開示と併せて出尽くし感が広がった。

<2802> 味の素 1797.5 -47.0大幅続落。引き続き前日の後場に発表した決算が嫌気された。20年3月期事業利益は992億円で前期比6%増益、880億円の会社計画を大きく上回った。化成品の事業利益が大幅増となっている。一方、21年3月期は780億円で同21%減益の見通し。新型コロナによる影響として229億円が減益要因としている。極めて保守的な前提とはみられるが、市場想定を大きく下回る水準にネガティブなインパクトが続く。

<3937> Ubicom 1638 +146急伸。前日に20年3月期決算を発表、営業利益は7.1億円で前期比25.4%増益、従来計画の6.7億円を上振れた。戦略的な投資の増加を吸収しての大幅増益決算に。また、21年3月期は8.1億円で同14.0%増、連続2ケタ増益の見通し。これまでの投資効果の発現なども見込んでいる。新型コロナウイルスの影響は0.5億円ほどの収益マイナス要因とみているもよう。安定した収益の成長を評価する動きが優勢に。

<7844> マーベラス 682 +100ストップ高。中国のネットサービス大手でゲーム業界売上シェア過半超を占めるテンセントの完全子会社であるImage Frame Investmentが約49億円出資、単独出資者として筆頭株主になると発表した。持株比率は第三者割当増資の引き受けと既存株主からの譲渡分を合わせ約20%に。すでに両社は事業提携済みだが、資本提携に踏み込むことで、海外市場開拓など今後の同社の事業展開の広がりが期待された。

<7187> Jリース 332 +80ストップ高。中国最大規模の決済サービスプラットフォーマーであるラカラペイメントの日本法人と、訪日中国人に対する日本国内の不動産賃貸借に関して業務提携したと発表している。ラカラは1.2億人を超える中国最大規模の決済サービスプラットフォーマーであり、膨大なネットワークと個人決済情報を有している。今回の提携によって、今後の中国人の訪日需要回復の際には、大きな需要の取り込みが期待できるとの見方に。

<6481> THK 3005 +344急騰。前日に第1四半期決算を発表、営業損益は6億円の赤字となった。会社想定に対しては、自動車販売低迷で輸送用機器事業が下振れたものの、産業機器事業は上振れたようだ。主力の産業機器事業は、受注が全地域で前四半期比増加するなど、半導体機器向けをけん引役として今後も回復が続くとの見方につながっており、第2四半期以降の営業黒字化確度も高まる展開になっているようだ。

<5631> 日製鋼所 1572 +188急騰。前日に20年3月期決算を発表、営業利益は187億円で前期比23.0%減、3月16日に下方修正した水準を上回った。新型コロナの影響で一段の下振れも懸念されたなかでは安心感につながった。21年3月期業績は非開示で不透明感は拭えないものの、株価の戻りがこれまで極めて鈍かったこともあり、短期的なあく抜け材料にはつながっているようだ。なお、買収防衛策の非更新をプラスに捉える向きもあるようだ。

<6997> 日ケミコン 1523 +300ストップ高。前日に20年3月期決算を発表、営業損益28.9億円の赤字で前期比80億円超の損益悪化。従来予想の3億円の黒字を大幅に下回った。アルミ電解コンデンサの受注低迷や生産拠点の操業度悪化などが響く。期末配当金も30円予想から無配。一方、早期退職者募集や拠点の統合・再編など構造改革の実施を発表、20-22年度で120億円の効果を見込む。つれて、21年3月期営業損益は29億円の黒字転換を予想。《US》

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