NYの視点:日本政府は大規模補正予算の編成に着手か

2019年11月26日 07:36

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記事提供元:フィスコ


*07:36JST NYの視点:日本政府は大規模補正予算の編成に着手か
国際通貨基金(IMF)は25日、対日4条協議終了後の声明で、2019年の実質国内総生産(GDP)成長率は0.8%になるとの予測を提示した。経済成長率の予測はIMF職員によるもので、必ずしも理事会の見解を示すものではないとされている。IMFが10月に発表した世界経済見通しで示した日本の19年実質成長率の予測は0.9%。IMFの声明では、消費増税による財政引き締めが景気腰折れを招くことがないよう、景気刺激策を導入することが提言されている。

IMFは、「2019年の財政スタンスはおおむね中立的になる」と指摘しているが、「現在検討されている景気刺激策を考慮しなければ、20−21年の財政スタンスは緊縮的なものとなる」と想定している。市場参加者の間では「IMFの判断が常に正しいとは限らないが、消費増税が景気悪化につながることや、積極的な財政刺激策の有効性を認めていることから、日本政府は大規模補正予算の編成に着手する」との声が聞かれている。与党・自民党内からは、10兆円規模の補正予算が必要との意見が出ており、災害復旧のための費用や消費増税対策の延長などに充てられる可能性がありそうだ。

大規模補正予算への日本政府の取り組みを意識して日本株は強い動きを見せる可能性があるが、債券市場では長期債と超長期債の利回りがある程度上昇するとの見方が出ている。為替については、米中通商協議の進展が期待されていることから、日本の長期金利がやや上昇しても円高が進行する可能性は低いとの見方が多いようだ。《CS》

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