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ウィンドチャレンジャー搭載石炭船のシミュレーション画像(航行中の様子)。(画像:商船三井発表資料より)[写真拡大]
温室効果ガスへの対策が叫ばれて久しい。具体的にどうすればいいかと言えば化石燃料をなるべく燃やさないことが一番であるわけだが、その一環として、なんと石炭船に「帆」を再導入することが真面目に検討されているという。商船三井と東北電力によるものである。
【こちらも】風力を活用する「ハイブリッド帆船」開発計画が進む
帆と言っても、流石に昔の帆船に取り付けられていたような布の帆ではない。まだ世界的にも導入例はないのだが、研究・開発されているのは硬翼帆と言って、剛構造だが伸縮可能で風力を推進力に変換できるというものである。硬翼帆式風力推進装置、またはウィンドチャレンジャーという。
もちろんこれを主動力として船を動かすわけではないが、硬翼帆一枚で、従来の同型船と比較した場合に日本―オーストラリア航路が約5%、日本―北アメリカ西岸航路で約8%の温室効果ガス削減になると試算されている。
ウィンドチャレンジャーの研究は、もともと東京大学の主宰のもと、2009年に産学連携で始まったものである。名前はそのまま、ウィンドチャレンジャー計画と言った。2018年1月には商船三井と大島造船所が中心となり、ウィンドチャレンジャープロジェクトとして発足している。
商船三井と東北電力は、これまで東北電力の石炭火力発電所に燃料を運ぶ石炭船に、ウィンドチャレンジャーを搭載することについて検討してきたのだが、今回、東北電力の所有する発電所の港湾施設で、ウィンドチャレンジャー搭載船の受け入れが可能であると分かったため、共同検討を本格的に進めることにしたという。
今後、荷役や入出港に及ぼす影響、実際の温室効果ガス削減効果の程度などについて検証し、世界初のウィンドチャレンジャー搭載船を2022年度以降に運行開始するべく、協議を続けていく予定であるという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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