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シェアリング普及で生産台数減少へ クルマは所有から利用でメーカーに危機到来
日本市場でカーシェアリング参加者は150万人ぐらいになっているそうだ。クルマの所有者530万人ほどに対して、これから比率が上がっていくのであろう。日本の自動車市場は700万人規模を最高に減少してきた。その原因を自動車メーカーに求めるのは筋違いであろう。
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かつてのようなクルマの持つ商品価値がなくなってきたことは事実だ。クルマは実用であり必要な時に使うが、ステイタスシンボルとして所有するほどの経済力が国民になくなっている。そして、クルマで走る性能を楽しむ興味より、手軽に手に入るスマホのような通信手段で時を過ごす。市場は合理的なだけだ。
クルマの魅力を「実用性」と「趣味性」に分けて捉えてみると、軽四輪自動車が日本の自動車市場の中でシェアを伸ばしていることも理解できる。
その根本には、「可処分所得」が微減しているのに「通信費」が家計の中で重要度が上がっている状態がある。これでは、クルマで趣味を楽しむ人々が減ることは避けられない。「通信費」が高い日本での特異な現象とも言える。
一方、クルマの「趣味性」を語るのであれば、操縦性や文化性など魅力は多数ある。しかし、「物理的な内容」に関心が薄れていく現代の国民性にあっては、クルマに興味を持てない人々が広がるのだろう。
エンジンの能力、ハンドリングの正確性、デザインの趣向、インターネットの使い心地など、実用性と絡みながらも「走るクルマ」の魅力は尽きない。
世界市場でみてみると、所有とシェアリングは同時に伸びている。それはシェアリングがネット時代の特徴であり、ネット技術がなければ出来上がらなかった市場だからだ。
日本のバブル時代の700万台の記録は、シェアリングが出来ない技術環境の中で記録したものだ。しかし、もともとシェアリングの市場はそこに潜在していたともみることが出来るのであり、「実用性」と「趣味性」の両方の魅力を磨いていく方向に間違いはない。
ポルシェなど特殊な「趣味性」の強いメーカーは、少数の人々に支えられながら生き残っていくのであろう。ベンツ、BMWなどプレミアムカーと言われるメーカーも、極めて少数の人々に支持されてでも、その分野の象徴として生き残っていくであろう。
シェアリングの対象としても自動車市場は残り、実用だけの市場とは違った存在となろう。問題は、トヨタ、VWなど様々な車種を連ねて巨大なシェアを押さえているメーカーは、シェアリングによって生産台数を制限される結果となることだ。
そのような市場が求める方向性を正しく認識できなければ、自動車メーカーは大きく減産に追い込まれ、GMなどのように存続の危機を迎えることとなる。
トヨタがMaaSなどビジネスモデル変換を決意したのは正しい判断であると言える。世界一の生産台数を争う時代は既に過ぎ去り、どの様なサービスを提供できるのか?手探りの時がしばらくは続いていくのであろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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