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「魔女の雑草」ストライガの撲滅に繋がるゲノム解読 理研などの研究
ケニアに生息するストライガ(Striga asiatica)。(画像:理化学研究所発表資料より)[写真拡大]
その恐るべき生態から「魔女の雑草」と呼ばれる病害植物ストライガ。その撲滅のための手がかりとなる全ゲノム解読に、理化学研究所(理研)などが成功した。
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研究に参加しているのは、理研環境資源科学研究センター植物免疫研究グループの白須賢グループディレクター、奈良先端科学技術大学院の吉田聡子特任准教授らの参加する国際共同研究グループ。
ストライガはハマウツボ科に属する寄生植物である。もっとも恐ろしいのはStriga hermonthicaというもので、トウモロコシやイネなどといった主要な穀物の根に寄生し、農業に被害をもたらすことから魔女の雑草の異名を持つ。現在、アフリカの一部地域で猛威を振るっており、感染領域は日本の本州の2倍ほどの広さに及び、年間被害推定額は1,000億円にのぼるという。ちなみに、1950年代には米国で大きな被害を出したこともある。
ストライガは非常に厄介な植物で、撲滅は困難を極める。まず、種子が非常に小さく(0.2~0.3ミリほど)、埃のように風に乗って広がる性質を持つ。しかも、この小さな種が何十年も休眠状態で生き続けることができるのである。
ストライガの撲滅のためには、ストライガの寄生メカニズムを分析し、的確にこれを駆除できる除草剤を開発しなければならない。メカニズムを分子レベルで理解するためには、ストライガの全ゲノム情報解読が不可欠であった。
研究の結果として、ストライガが適応進化の過程において全ゲノム2倍化を2度に渡って起こしていることや、規制対象の植物から遺伝子を獲得して寄生メカニズムの進化に利用している事実などが明らかになったという。
研究の詳細は、米国の科学雑誌Current Biologyのオンライン版に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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