三菱商事、1Qの連結純利益は前年比20%減 通期見通し6,000億円に対する進捗率は27%と巡航速度

2019年8月8日 09:15

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記事提供元:ログミーファイナンス

2019年度第1四半期決算

増一行氏:CFOの増です。本日はお忙しいなか、弊社の2019年度第1四半期の決算説明会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。最初に私が全体を説明いたしまして、そのあと主計部長の野内より詳細な説明をさせていただきます。

2019年度第1四半期の連結純利益は1,612億円となり、前年同期比で432億円の減益となりました。資料左下の「前年同期比の増減」と右側のグラフをご覧ください。

事業系は、自動車関連事業、石油・化学事業、鮭鱒養殖事業を中心に持分利益が減少したことなどにより、244億円の減益となりました。

市況系は、前年同期の船舶事業における一過性利益の反動に加え、豪州原料炭事業における生産コストの増加や、一般炭の権益売却にともなう取引利益の減少などにより、142億円の減益となりました。

2019年度業績見通しに対する進捗率ですが、資料左下にありますように、業績見通しの6,000億円に対する進捗率は27パーセントとなりました。標準進捗率の25パーセントを少し上回り、ほぼ巡航速度で進捗しているように見えます。

自動車関連事業や鮭鱒養殖事業の業績低調などにより、事業系の進捗率は24パーセントに留まりました。その一方で、豪州原料炭事業において販売価格が高値で推移し、販売数量が増加した影響に加え、欧州原料炭事業や北米シェールガス事業における第1四半期の偏りなどがあり、市況系の進捗率が30パーセントとなっています。

世界経済の不透明感が強まる状況下、事業環境も厳しさを増しており、業績見通しの達成に向けて、楽観できないと考えております。

以上が全般的な説明となります。

続きまして、主計部長の野内よりセグメント別の状況を中心に詳細をご説明いたします。

セグメント別の状況

野内雄三氏:主計部長の野内です。それでは、私から何点か補足させていただきます。セグメント別の第1四半期の実績からご説明いたしますが、費用増減にポイントを絞ってご説明申し上げます。

まず、天然ガスは前年同期の249億円から36億円増益の285億円となりました。これはLNG関連事業や、シェールガス事業における持分利益の増加などによるものです。

次に、2つ下の石油・化学です。前年同期の110億円から64億円減益の46億円となりました。これは海外石油事業での取引利益の減少や、石油化学事業における持分利益の減少などによるものです。

金属資源は、前年同期の725億円から135億円減益の590億円となりました。豪州原料炭事業における生産コストの上昇や、豪州一般炭権益の売却による取引利益の減少、銅事業における受取配当金の減少などによるものです。

産業インフラは、前年同期の144億円から91億円減益の53億円となりました。これは前年同期の船舶事業における税効果計上の反動などによるものです。

続いて、資料の右半分に移ります。右上の自動車・モビリティは、前年同期の256億円から82億円減益の174億円となりました。これは、三菱自動車工業やアジア自動車事業における持分利益の減少などによるものです。

食品産業は、前年同期の116億円から53億円減益の63億円となりました。これは鮭鱒養殖事業における持分利益の減少などによるものです。

キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況ですが、実績の説明に入る前に、従来の営業収益キャッシュ・フローの計算方法を変更しておりますので、まずその説明をさせていただきます。

IFRSのリースに関する会計基準改定にともない、オペレーティングリースのリース負債支払額が営業キャッシュ・フローに含まれなくなり、その分、営業収益キャッシュ・フローが従来より膨れてしまうことから、この調整を行っております。

具体的には、営業キャッシュ・フローから運転資金の影響を除き、さらにリース負債の支払額を含めたものを営業収益キャッシュ・フローと定義しました。その営業収益キャッシュ・フローから投資に使ったキャッシュ・フローを差し引いたものを、調整後フリー・キャッシュ・フローと定義しています。

計算方法は変更しておりますが、営業収益キャッシュ・フローが従来同様本業で稼ぐ力を表していること、調整後フリー・キャッシュ・フローが将来の投資や株主還元の原資となるキャッシュ・フローを表していることに変更はありません。

それでは、当期のキャッシュ・フローの状況についてご説明いたします。棒グラフ右側の2019年度第1四半期のキャッシュ・フローをご覧ください。

グレーのグラフ、営業収益キャッシュ・フローは2,139億円の収入です。オレンジのグラフ、投資キャッシュ・フローは448億円の支出となり、これらを合計した調整後フリー・キャッシュ・フローは1,691億円の収入となっています。

投資キャッシュ・フローの主な内訳については、資料の右の表の中段のオレンジ色の部分をご覧ください。支出は千代田化工建設宛の貸付や欧州原料炭事業、コンビニ事業での投資などにより、1,769億円となりました。

一方で、収入は海外電力事業における持分の売却や上場有価証券の売却などによって1,321億円となり、ネットで448億円の支出となりました。

【参考】市況の状況

このページでは、市況の前提状況をまとめた参考情報を記載しておりますので、後ほどご参照ください。

私からの説明は以上です。

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