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新しいタイプのリコール マツダ・CX-5 ECUプログラム「バグ」でロッカーアーム破損
リコールの改善箇所説明図(画像: マツダの発表資料より)[写真拡大]
マツダは27日、CX-5およびアテンザのエンジン制御コンピュータ(ECU)に不具合があり、2018年2月1日~2019年5月23日に製造された9000台を対象に、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出たと発表した。最悪の場合、エンジンが停止するという。プログラム「ミス(バグ)」は現代、そして、将来にわたって起きる可能性が高い新しいタイプのリコールだ。
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今回のマツダのリコールは、ECUのエンジン気筒休止制御プログラムに「バグ(プログラムの間違い)」があるため、「バルブクリアランス調整機構」が誤作動するタイミングがあるという。それは、気筒休止から復帰するときのようだ。「ロッカーアームが脱落」とあるのでかなり深刻だ。ロッカーアームとは、カムの動きをバルブに伝えるエンジンの重要部品である。これで「エンジン失火」は当然起きると見なければならず、「出力不足が発生、最悪の場合はエンジンが停止する」とは恐れ入る。
このような重大な障害が発生するプログラムの「バグ」を見落としていたとは、考えられないことだ。最近のECUは大変多くの情報を得て作動しているため、長いテストの間、ほぼ起きないような特殊な条件がなければ発見できるはずだ。
マツダから発表されている情報には納得できない。センサーなどの情報が複雑に絡んで、めったに起きない環境となる条件を見過ごしていたことになるが、それがそもそも「デバック」と言うものであり、その再発防止策を発表するべきと感じる。この発表の裏に、さらに原因が隠されているようだ。
どうしても「ユーザーを素人として見て」、現実の問題点をメーカーは発表したがらないが、9000台のリコールで済むものであるのか疑問である。製造過程で自然にバグが修正出来ているとは思われず、生産ロット限定の理由も知りたいものだ。
プログラムとメカニズムの整合性など、高度にコンピュータ制御されたクルマでは、最大の懸念が「プログラムと機械仕掛けの精度の誤差」だ。これを一致させる技術が確立されているとは思えず、再発防止策を見れば、品質確保の現状と技術レベルが見えてくる。
自動運転時代になり、コンピュータの誤動作は重大な事故に繋がるリスクを伴う。目に見える動作でないため、条件設定とデバッグの方法論などをコンピュータ上だけで進めていると「落とし穴」が発見できないことに繋がる。「現場・現物主義」を「なおざりにする」開発者、研究者のコメントを見かけるが、これは大きな間違いだ。人間の想定を超えた事態があるとの前提で、「現場・現物主義」を堅持してもらいたい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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