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三菱重工、ボンバルディアの小型ジェットCRJ関連事業買収で交渉中
三菱重工業は5日、カナダの大手航空機メーカー・ボンバルディアの小型ジェット旅客機CRJ関連事業について、同社と買収交渉を進めていることを明らかにした。
今回の報道は、航空関連のブログ「The Air Current」のスクープに基づくもので、両社が買収に向けて交渉中であることを確認したため、5日のトロント市場でボンバルディア社の株価が大幅上昇した。両社とも買収交渉そのものは認めたものの、現段階では最終的に合意に至るかは不明であるとしている。
ボンバルディアは、カナダ・ケベック州モントリオールに本部を置き、鉄道車両や航空機などを製造するコングロマリット企業だ。2018年7月には、中型旅客機「Cシリーズ」事業をエアバスに事実上売却している。50~100席の小型ジェット旅客機であるCRJ事業の売却も検討する中で、その交渉先を三菱重工業に絞ったものと伝えられており、売却が決まれば民間航空機事業からは撤退することになる。
三菱重工業は2008年に子会社「三菱航空機」を設立し、国産初のジェット旅客機MRJの開発を進めていた。初号機の納入は2013年を予定していたが、これまでに5度に亘り設計変更や開発トラブル等の理由により、納入時期を延期している。現在は2020年半ばの納入を目指している。
こうした状況下の三菱航空機は、現在の90席に加え70席のジェット旅客機の開発にも着手している。50~100席までの4機種を揃えたボンバルディアの買収はまさに「渡りに舟」である。折しも5月末には、MRJの名称を「スペースジェット」に変更する方針を固めたと報じられている。「三菱」を外すことによってイメージを刷新し、航空機の最大市場である北米を始めとる、世界の小型ジェット機市場での需要に対応しようとする矢先であった。
合意までには、これからもも取得時期や金額などを含め紆余曲折が予想されるが、早ければ6月17日から23日に開催される「パリ・エアショー2019」において公式に発表される可能性があるという。(記事:kan1713・記事一覧を見る)
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