トヨタ・スープラ、BMW・Z4の生産拠点マグナ・シュタイヤーのオーストリア・グラーツ

2019年5月23日 06:37

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新型トヨタ・スープラ。(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

新型トヨタ・スープラ。(画像: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]

 5月17日に発表があったトヨタ・スープラは、BMW・Z4と同じ工場で生産される。プラットフォーム、エンジンなど共有する車両であるため、当然と言えば当然と感じる。しかし『マグナ・シュタイヤーのオーストリア・グラーツ生産拠点』 というのは、聞きなれない。

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 この生産拠点では、前述の2車種だけでなく、「メルセデス・ベンツGクラス」「BMW 5シリーズ」「ジャガーEペース」、EVの「Iペース」と、そうそうたる顔ぶれが完成車として生産されているのだ。それにもかかわらず、自動車メーカーとして独自の車種を生産していないようだ。

 マグナ・シュタイヤーのグラーツ拠点では、1900年代から自動車生産が始められていたようだ。ベンツとの共同会社も古くからあり、1935年には、現在のGクラスの始まりである、元々は軍用車であった「ゲレンデヴァーゲン」がダイムラーと共同開発された。メルセデスのGクラスは、それ以来ここで生産されてきている。

 「マグナ・インターナショナル」はカナダのメガサプライヤーだが、1998年にシュタイヤー・ダイムラー・プフを買収、2001年にマグナ・シュタイヤーとなり現在に至っている。「マグナ・インターナショナル」の世界で唯一の完成車両工場がこの拠点だ。その気になれば、開発から生産まで独自の自社ブランド完成車両を作り出すことが出来るのだが、現在までのところその動きはない。

 注目されるのは、トヨタなど大手のメーカーが少数生産車量であるスープラなどを任せていることだ。スポーツカーなどは生産数が限られ、現在のトヨタの技術を持ってしても「混流生産」が難しいのだ。それは、新型スープラにはBMW・Z4と共通の部品や構造が多くあり、現在トヨタが進める「TNGA」の量産車規格に入れられないからだ。

 こうした車種ごとの特殊構造や装備を持つと、他社と同じ車種のように生産出来ないのだ。言い換えれば、スープラは専用に設計された構造を持つことの証であり、それこそがスポーツカーの証と言ってよいものだ。

 現代の自動車生産工場としては、「特殊車両」の色合いの強い車種を引き受けているのである。いろいろなノウハウがあるのであろうが、実用量産車に比較して、特殊・専用設計であるからこそ割高なコスト体質となっているのであろう。

 しかしトヨタ・スープラは、それでもかまわない「ブランド」であるのだ。この特殊性は現在の量産工場の動きだからこそであり、大変興味がわく。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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