コンビニ業界に広がる「時短営業」問題、根本にある人手不足問題に、どんな対応をするのか? (3-2)

2019年4月15日 17:57

印刷

(c) 123rf

(c) 123rf[写真拡大]

 ファミリーマートは4月9日に、6月から東京都や秋田県の一部地域で深夜と早朝の時短営業の実験を開始すると発表した。対象地域にあるFC店は約270店になるが、各店の参加意向を確認した上で実施するようなので、最大270店になる可能性がある。FCチェーン店が約1万5000店であるファミリーマートにとって270店は1.8%ということになる。概ね3~6カ月間の実験期間を見込み、4時間~8時間程度の幅で3種類の時短営業実験を行う。

【前回は】コンビニ業界に広がる「時短営業」問題、根本にある人手不足問題に、どんな対応をするのか? (3-1)

 ファミリーマートの場合は、東京都と長崎県の一部地域で日曜日の深夜時間帯に閉店する実験も並行する。

 ファミリーマートの時短営業実験は当該地域内で営業中のFC店であれば、実験への参加はオーナーの判断により自由に認められるようだ。参加可能な約270店のうち何店が実験に参加するのかは注目されるところである。

 ローソンの竹増貞信社長が11日の記者会見で明らかにしたのは、既に41店舗が時短営業を実施中で、5月からは更に2店が時短営業に加わる予定だ。また社長が「基本は24時間営業だが、様々な事情に個別に対応する方針である」旨をセミナーで公表したところ、新たに19店から時短営業に関わる相談を求められているという。

 ファミリーマートやローソンが、時短営業に柔軟に対応しようとしている姿勢を鮮明にする中で、セブン‐イレブンがどんな姿勢で時短営業問題に取り組むのか、注目を集めている。8日付で社長の交代が発表されたことが、時短営業問題への前向きの姿勢を示すシグナルと受け止められていた。

 確かに、「24時間営業は絶対に止めない」と公言していた古屋一樹前社長が、時短営業に舵を切るのはバツが悪かろう。人心一新・心機一転して新しい方向を目指すことは、経営方針の転換を雄弁に物語るセオリーでもある。

 永松文彦新社長が4日の会見で、30年前に16時間営業を24時間営業に変更した際の成功体験を回想したことが、「時短営業に変更したくない」本音を見せたと分析することも可能だが、もし本音がそこにあって、就任発表時にそのまま披歴したとなればずいぶんお目出度い話である。

 30年前には安価な人件費でいくらでも雇用することが可能だったという時代背景を懐かしく思い出して見せたが、それが不可能になったから今日を迎えていることは当然認識している筈だ。正式に決定していない時短営業問題に対する言質を、取られまいとする警戒心が優先したのだろうか。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

続き: コンビニ業界に広がる「時短営業」問題、根本にある人手不足問題に、どんな対応をするのか? (3-3)

関連キーワード

関連記事