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月周回に新たな有人拠点開発へ、ISS参加国が共同声明 JAXA
月近傍に設置予定のゲートウェイの想像図(写真:JAXAの発表資料より)[写真拡大]
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12日、各国の代表が、月近傍の有人拠点となるゲートウェイの構築に関する共同声明を取りまとめたと発表した。共同声明は、5日に開催された国際宇宙ステーション(ISS)多数者間調整会合にて取りまとめられた。
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■米、露などが参加するISS計画の国際会合
ISS多数者間調整会合はISS計画の上級国際調整会合であり、ISSの運用や利用に関する重要な事項が定期的に議論される。JAXAは、文部科学省のもと、ISSに参加する宇宙機関として会合に参加する。
今回の会合では、日本のほか、米国、カナダ、欧州、ロシアの代表がISSの運用状況や科学的・技術的成果の創出とともに、人類の活動領域を拡大するための技術的検討状況を確認し、共同声明をまとめた。声明では、NASA、CSA、ESA、Roscosmos、文部科学省といったISSへの参加機関による協力関係や、ISSによる人類の恩恵につながる成果の共有等が確認された。
■月への有人飛行の拠点となるゲートウェイ
同会合では、人類の活動領域を月や火星へと拡大するために、ISSへの参加宇宙機関によって行われた技術の検討状況を確認した。そのうえで、持続的かつ実現可能な宇宙探査の重要性を認識し、月近傍に有人拠点となるゲートウェイを構築する必要性が確認された。ゲートウェイは、地球とISSの距離の約1,000倍離れた月周回に位置し、月面探査のための中継拠点になる予定だという。
ゲートウェイは有人および無人による月面への到達を可能にし、将来実施されるであろう火星への有人探査に向けた重要な経験の場になる。またISSと環境が大きく異なるため、ゲートウェイが深宇宙における重要な科学的発見や月面探査を可能にする拠点になることが期待される。
今後各参加機関が、検討の結果として提示された分担案に基づき、各関係ステークホルダーからの承認や資金の確保について調整を進める意向だという。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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