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フォード・VW苦し紛れ? EV、自動運転の遅れ、金融知識の1700万台アライアンス?
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フォードとフォルクスワーゲン(VW)が、世界規模での業務の提携を模索している。資本関係を避けての連携のようだが、これにはフォード創業家の影響が濃いようだ。VWは排気ガス規制の不正について、未だに全て解決していない状況で、今後が不安定のままだ。このところEVに力を入れてきているが、それは欧州市場での新たな燃費規制と中国政府の中国産業振興策に合わせてのことだ。新ブランドの「フォルクスワーゲングループ・コンポーネンツ」を立ち上げたのも、本格的EV時代に向けての備えである。
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一方、フォードは業績がさえないが、その理由は、これまであからさまに「大型車生産で稼ぐ」近視眼的経営方策を鮮明にしてきたためだ。過去のCEOのコメントで見ても、EVや自動運転など、ましてや高性能な小型車に対する先行投資にはきわめて消極的だった。それは、アメリカメーカー共通の、「景気の良い時には利益率の良い大型車で稼ぐ」とする習慣であるとも取れるものだった。投資家に雇われた経営陣は短期の利益を求め、その場限りの方策に終始する危険がある。投資家も、ビジネスモデルを理解せずに経営陣に短期的視野で接すると、どうしても大きな流れを見失うこととなる。
フォードは、EV・自動運転など最先端技術に対して「単独では投資が出来ない」として、VWとのアライアンス締結の理由の一つに上げている。しかし、今更遅すぎる経営方針と感じるのは、ごく一般的な見方であろう。世界各社のように、景気が良い時期に利益を配当に回すだけでなく、将来の変動に対する先行投資をしておくべきだった。単なる経営の見通しの無さである。いや金融知識の投資家の姿勢では、「目の前の利益を傍受し」て行き詰るのなら、その「ビジネスモデルはM&Aなどで変更すればよい」としているのだ。そのためビジネスモデルも短命化しており、従業員側の立場からは不都合なのだが、投資家としては「次に移ればよい」ことなのだ。これで経済が長期的に順調である訳がないのだが、AI・ロボット化の流れの中で資本の論理が先行し、極端な格差として表れてくるはずだ。
『ごく一部の大金持ち』と、AIによる代替え労働で「無用の人々」となった『大多数の人間』との差別が明確になってきているのが、全世界の情勢だ。
EVの普及問題に関しては、「次世代電池の開発」にかかっているようだが、中国は原子力発電に邁進している状況で、石炭火力発電から脱すれば、EVによって排気ガス問題をクリアできるとしているようだ。マツダが目指しているエンジンの熱効率改善の方策よりも、エンジン・トランスミッションの製造を飛ばし、EV産業として世界の自動車産業の勢力図を塗り替えることを中国は目指している。
現在の情勢では、VWはEV生産に前向きに取り組んでおり、フォードは投資を削減できるメリットがある。利益率が悪いVWは、北米での販売と投資資金を得られるメリットが考えられる。マスのメリットを求めることが金融知識でのM&Aの鉄則だが、果たして資金量だけで乗り越えられる自動車産業の変革時期なのであろうか?どうもEV化は、「燃費規制の問題」とは関係なく、「巨大市場の中国の施策」で流れは決まってしまうのではないか?
イギリスの原子力発電事業で後ろ向きになった日本企業のスキをついて、中国の産業施策が世界の産業の方向性を決めてしまうかもしれない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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