【第四次産業革命に必要な技術(2)】 産業革命とは2.生産技術 の進歩だ

2019年1月7日 11:39

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■2.生産技術の進歩の必要性

 イギリスから産業革命が起こり、大量生産時代がやってきて、ロット生産の限界が感じ始められてきたとき、「トヨタのかんばん方式」がひそかに進められ始めていた。それは、日本が敗戦から立ち直ってきつつある頃だった。フォード方式とも言われていたロット生産により大量生産に成功してみると、巨大な資金が必要となった。しかし、必要資金と思われていた在庫を極端に少なくしてみると、「工場敷地・クレーンなどの運搬設備」「先入先出など在庫管理の管理手間」などを一気に縮小することができ、大きな資金が必要ないやり方が出来たのだ。

【前回は】第四次産業革命に必要な技術(1)】 1.IoT 2.生産技術 3.モデルベース設計 4.広告技術

 しかし、1車種専用のラインでは、販売台数が減ってきたとき稼働率が落ち、固定費が回収できない事態に陥りやすいことは容易に考えられる。販売の浮き沈みを「平準化」するには、多種類の車種を同じラインで生産できると回避しやすいことが容易に想像できた。そこで、「混流生産」が考えられた。さらに、現在でも必ずしも受注順に生産出来るわけでもなく、作業のしやすいように生産順序は調整されている。すると、その間で在庫が発生することとなり、これを削減するには「順序生産」を目指すしかないとなる。

 そうした資金効率を考えていくと、「サプライヤー」の部品生産までつなげて考えないと、サプライヤーの段階で在庫を持つこととなってしまう。それではコストが部品段階で重なってしまう。そこで、サプライヤーチェーンを生産拠点ごとに整備しなければならなくなるが、グローバル企業にとって世界各地に散らばる生産拠点同士での混流生産が必要になる。つまり生産拠点が違っても、多くの車種を生産できるサプライヤーチェーンが同レベルの加工技術・品質管理技術を持たねばならないこととなる。

 すると、新たな企画・設計段階から、サプライヤーに参画してもらって開発を進めておく必要性が生まれてくる。「グローバル・スウィング生産」のためだ。

 こうした生産方式の整備が進んで、初めて「ネット注文」が可能となってくる。自動車も「受注生産」に近付いて、在庫が極限され、理想的な「ジャスト・イン・タイム」になっていくのだ。さらに、AIによる販売予測の精度が上がれば「予測生産」の精度が上がり、受注生産よりも「ジャスト・イン・タイム」を実現でき、いよいよ生産で在庫資金が要らなくなってくることになる。さらなる先は、「3Dプリンター」の進歩による「特注生産」などが広がってくることとなるだろう。

 製造技術・生産技術・情報処理技術などの「技術的進歩」が製造を変え、人々の生活を変え続けていくことは確実なのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: 【第四次産業革命に必要な技術(3)】 生産技術の進歩は設計技術の進歩と一体

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