MonotaRO急成長の原点は着想力と商圏拡大

2018年8月25日 07:30

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 私がMonotaRO(以下、モノタロウ)を初めて取材したのは、2014年の秋だった。当時は9月期決算(現12月期)で過去5年間の平均増収・営業増益率は26%超、27%超と成長真っ盛りだった。その後も前期の「26.9%増収、24.7%営業増益」に続き今期も「23.9%増収、20.4%営業増益」と2桁成長を続けている。

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 モノタロウは中堅・中小製造企業向け間接材のネット通販に特化した企業。2000年設立、06年に上場を果たしている。「間接材」と一口に言ってもその詳細はホームページに譲るが、例えば「切削工具」「研磨剤」「はんだ」「建材」から「掃除用具」まで初めて取材した時点で800万点に及んでいた。現在は1500万点。初取材の折りの担当者のこんな言葉がメモに残っている。
「間接材は複数の業種で共通に使用されることが少なくない。農業や外食産業を対象として取り込んでいるのも、その象徴」。言葉尻には「商圏は無尽蔵」といったニュアンスも感じられた。「〇〇のPB商品はないのかという問い合わせがあるが、いまは市場を拡充するためナショナルブランド品を全てのユーザーにワンプライスで提供することを最優先している」とも耳にしたが、現在PB商品は32万点に達している。

 認知度を高めるために、BtoCも展開してきている。と同時にこんな枠組みも執っている。中堅・中小企業向けが主体だが、大企業との取引もある。例えば大手ビールメーカーX社。全国に工場がある。そして工場で使われる間接材は、現地調達。X社の購買部は「コストチェック」に日々追われていた。結果、行き着いた先が「モノタロウでネット調達する」ことだった。

 こうしてモノタロウは、成長階段を駆け上がってきた。そして鈴木雅也社長の「現在の顧客数は全国308万件(18年8月10日現在)。現在の間接材市場は5兆円とも10兆円ともいわれている。商品数の拡充や新規顧客の獲得でシェア拡大を加速させていく」の言葉には、さらなる成長への自信が感じられる。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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