子育て支援くじはもう売らないのか?

2018年8月15日 17:11

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 総務省のまとめによると、2017年度の宝くじの総売上高は7,866億円と、前年比6.9%減少したという。2年連続の減少でピークだった05年度の1兆1,047億円から、減少傾向に歯止めがかからない状況にあるとのこと。

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 私も宝くじを買ったことは勿論ある。が、「売上高減少続く」という報道自体に、興味はない。知人は当たったこともないくせに「ジャンボ宝くじの1等は1,000万本を1ユニットとし販売、1ユニット中に1等が1本ある。当たる確率は1,000万本分の1、雷に撃たれる確率とほぼ同じなのだ」と蘊蓄をかたむける。

 私が、こと宝くじに関して興味を持つのは2点。1点は、総売上高の行方である。総務省ではこんなデータ(平均割合)を公にしている。「当選者への還元分:46.8%」「発売元の都道府県&20指定都市に配分:39.6%」「販売手数料や宝くじの印刷経費等:12.3%」「社会貢献広報費:1.3%」。言葉は適切ではないかもしれないが「胴元に入る金額も相当の割合」が実感である。

 もう1点は2018年4月28日から、5月5日の「こどもの日」をはさんで15日まで売られた「子育て支援くじ」は、1年限りのものなのかという関心である。1枚200円。1等・前後賞合わせ賞金は5,000万円(1等は3,000万円)。1等組違い賞・2等・3等・4等・5等(200円)と、普通の宝くじと異ならない枠組みだ。特長といえば1等組違い賞と同額の10万円の当たりくじが2,000本ついている点。売上金額は約40億円。そのうち経費などを差し引いた約16億円が地方自治体の「保育所」「学童クラブ」の整備など、子育ての諸々の資金に充てられる。

 端から「一定の目的」に絞り込んで発行される(宝)くじである。国の社会保障費不足が指摘されている。結果、医療機関や調剤薬局の費負額が実質上増加している。薬価は増加傾向のトレンドから抜け出せないでいる。介護保険料の増加然りである。無論「目的別くじ」で全てを賄おうというのは暴論。だが「補填」のための「目的別くじ」があってもよいのではないか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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