ガソリンスタンドでピザをテイクアウト 昭和シェルとピザハットが業務提携

2018年8月8日 21:58

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昭和シェルとピザハットの協業型店舗イメージ(写真:日本ピザハットの発表資料より)

昭和シェルとピザハットの協業型店舗イメージ(写真:日本ピザハットの発表資料より)[写真拡大]

 石油元売り大手の昭和シェル石油(東京都港区)と宅配ピザ店を展開する日本ピザハット(横浜市)は8日、ガソリンスタンド内でピザのテイクアウト(持ち帰り)ができる協業型店舗の開発に向けて業務提携することで基本合意した。今後5年間で100店舗の出店を計画しているという。

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 昭和シェル石油はこれまで、多様化する顧客ニーズやライフスタイルに対応できるガスリンスタンドの実現に向け、他の業種と協業できないか検討を進めてきた。一方、ピザハットも顧客の身近にあり利便性の高い場所でピザを提供できる店舗形態を展開するため、他業種との協業を含めて検討を続けてきた。今回、こうした両社の思惑が一致し、業務提携に至った。

 計画では、昭和シェル石油のガソリンスタンド内にピザハットの店舗を設置。利用客はガソリンの給油などを行うとともに、ピザのテイクアウトもできるようになる。ピザの受け取りは事前に予約することもでき、両社は「お客様にとってワンストップで2つのニーズを済ませられる、より利便性に富んだ店舗となる」としている。今後、5年以内にこうした協業型店舗を100店配置していくという。

 近年の少子高齢化や自動車の燃費向上などでガソリン需要は年々減少しており、ガソリンスタンドの数も大幅に減少。全国石油商業組合連合会によると、2030年にはガソリン需要が2443万キロリットルと、2010年の5830万キロリットルから6割減少する見通しで、ガソリンスタンドの数はピークだった1994年の6万421か所から2017年には3万1,467か所とほぼ半減した。このため、石油元売り各社はコンビニエンスストアやコーヒーチェーンを併設するなどしてガソリンスタンドの収益確保に取り組んでいる。

 昭和シェル石油は石油元売り4位で、7月10日に元売り2位の出光興産と来年4月に経営統合することで合意した。また、ピザハットは昨年、親会社だった「ケンタッキーフライドチキン」を運営する日本KFCホールディングスが全株式を投資ファンドに譲渡。投資ファンドのもとで経営の立て直しを図っている。

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