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JT、バングラデシュ2位のタバコ会社買収 新興国事業を強化
●JT新興国への進出を加速
JT(日本たばこ産業)は6日、バングラデシュ第2位のたばこ会社Akij Groupのたばこを事業を約1,645億円で買収することを発表した。買収の狙いは海外の新興市場への進出。バングラデシュの紙たばこ総需要は860億本で世界第8位の市場。JTの岩井睦雄副社長によれば、今回の買収で170億本の紙たばこの販売数増加を見込むという。
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JTは過去にもロシアやインドネシア、フィリピン、ブラジル、ドミニカのたばこ会社を買収。今回のバングラデシュAKij Groupのたばこ事業買収も新興国進出への一環であり、買収により新興国でのM&Aが加速した。同社は新興国に活路を見出し続けている。
●世界3位JTは世界1、2位の米タバコメーカーを追う
日本たばこ協会によると、日本のたばこ販売実績は年々減少傾向にある。国内のたばこ需要の減少を受け、JTは海外たばこ事業を成長牽引役と位置づける。同社は現在、世界第3位のグローバルたばこメーカーだ。1位はフィリップ・モリス、2位はブリティシュ・アメリカンタバコ。
JTは世界1、2位のアメリカのタバコ会社に比べ海外進出に遅れをとっているが、同社は今回のバングラデシュへの進出も含めて着々と海外でのブランドの確立とシェア拡大を狙っている。
●JTの国内たばこ事業はRRPを重視
JTは現在、RRP(リスク低減製品)に力を入れている。既存の紙たばこは国内の需要減で利益成長の見込みがない。2018年のたばこ市場に占めるRRPの割合は2割程度だが、RRPの電子タバコ、PloomTECHは年々、売上を伸ばしている。新興国の経済成長を想定しながらも同社は国内での成長を諦めておらず、国内での成長戦略をRRPで拡大しようとしているのだ。
●JTは国内外で積極的な攻める経営をしている
国内の紙たばこ需要の減少はJTを海外進出とRRPの開発に突き動かした。また、同社の事業ポートフォリオは、たばこだけではない。医薬事業や加工食品業にも強く、医薬事業のロイヤリティ事業は好調。紙たばこは同社事業の中核だが、積極的な海外進出と新規事業の育成を進めている。
●攻めるJTのリスク要因
格付け会社S&Pは3月26日、JTの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。度重なるM&Aで同社の財務の健全性が疑われているからだ。今回のバングラデシュの買収は同社の財務基盤に対して下方圧力と見られる可能性もある。今後のJTの積極的な経営展開が実を結ぶかどうか見届けたい。
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