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村田製作所、IoTで路面状況を「見える化」 道路保全の実証実験開始
開発中のシステムのイメージ(写真:村田製作所の発表資料より)[写真拡大]
村田製作所は30日、IoTを活用し、低コストで効率的な道路保全と自動運転社会への貢献を目指すと発表した。独自のセンサ情報と画像技術を組み合わせた高精度な路面検知システムを開発し、実証実験を開始した。
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国交省は2014年に「国土交通省インフラ長寿命化計画」を制定し、2017年12月22日に3年経過時点での取り組み状況を発表した。道路は5年に一度の定期点検が義務付けられている。5年計画での3年経過後なので、単純計算では6割が点検完了しているはずであるが、点検完了数は半分であった。目視での点検の困難さ故であろう。
具体的な道路の点検数値は、橋梁72万3,495件の54%、39万1,761件が点検完了。トンネルでは1万878件の47%、5,104件が完了し、横断歩道などの大型の構造物では3万9,875件の57%、2万2,777件が完了した。この中には、道路そのものの点検数値の記載はない。
道路の交通インフラを維持・管理することは、住民の快適な暮らしや防災などの面から重要である一方、点検と修繕は税金で賄われる。国交省の試算では、2023年度では約4.3~5.1兆円、2033年度は約4.6~5.5兆円程度と推定。国や各自治体の財政を圧迫する要因となり、点検コストの削減が急務だ。
今回の発表は、検査プロセスの低コスト化を実現するシステムについてだ。さらには、雨天や降雪など悪天候時に露見する道路の欠陥情報を提供し、効率的な予防保全にも貢献するという。
●路面検知システムの特長
ジャイロセンサ、加速度センサ、ショックセンサやマイクを駆使し、道路の老朽化度合いなどの路面状況を「見える化」するシステムだ。システムは一般車両に搭載することができ、システムで取得したデータをクラウドに上げることで、老朽化度合いを分析する。効率的な道路保全を実現するプラットフォームだ。
●交通インフラ点検(村田製作所、路面検知システム)のテクノロジー
道路・橋梁・トンネルなどの点検に加えて、凍結や浸水など天候とともに変化する路面情報も収集した、実証実験を開始。
天候とともに変化する路面情報は、自動運転社会に必要とされる高精度マップにおいても必須の情報だ。路面検知システムから得られた情報をリアルタイムに提供し、自動運転社会に貢献することも構想しているという。
単独での実証実験は困難であろう。社会実証実験に協力する企業や自治体に関する今後の発表を注視したい。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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