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裏切りの連続で狂気に陥る慶喜・・「西郷どん」27話レビュー
■吉之助の悲哀が光る1話に
NHKの大河ドラマ「西郷どん」の第27話が7月22日に放送された。第26話にて西郷吉之助は慶喜に久光ともう一度会って欲しいと嘆願するも、実現することはなかった。状況が悪化する中、慶喜の取った行動が吉之助の運命まで翻弄していく。
【前回は】いよいよ本筋に突入か!?「西郷どん」26話レビュー
■薩長の雄が出会う瞬間
慶喜(松田翔太)の家を出るも、先ほどの笑顔がどうしても気になってしまう吉之助(鈴木亮平)。とにかく宿に戻ろうとするも、紙くずが落ちていることに気づく。その紙には「長州の恨みが京を焼く」と書かれており、近くにいた物乞いに紙のことについて尋ねた。しかし、物乞いから反対に京都が焼かれることが事実か尋ねられ、吉之助は「武士の仕事は戦争ではなく民の暮しをよくすることだ」とだけ言ってその場を去った。
宿に戻った翌日、慶喜の家の前で会った物乞いが吉之助を訪ねてきた。その正体は薩摩藩と仲違いにある長州藩の桂小五郎(玉山鉄二)だった。彼は長州藩の過激派を抑えているも、それが限界にきていることを吉之助に告げる。そして、彼は慶喜に直談判して解決の糸口を見つけたいと語った。
吉之助は慶喜の身代わりを切った人間は長州藩の人間であると疑っていたため困惑する。しかし、桂は物乞いとして慶喜の家に張り込んでいた際、切ったのは長州藩の人間でないことを見たと証言する。その言葉を信じた吉之助は、慶喜と桂の間を取り持つことにする。無事に和解した2人の姿を見た吉之助だが、このまま事態が収束に向かうことはなかった。
■国内で起こる争いの中、吠える吉之助
桂が長州藩を抑えていたものの、過激派の動きは止まらず慶喜の暗殺計画を立てていたことが新選組によって突き止められてしまった。その懲罰によって長州藩の人間が9人も斬られてしまい、これに反発した長州藩は京都へ上洛するのだった。
この動きの中、慶喜は長州藩をはじめ桂への信頼を失い挙兵を決意。吉之助にも御所の警備として出兵を命じるも、今は争うときではないと反対する。しかし、慶喜は自分を殺そうとしていた人間が同門である水戸にいたことを吉之助に告げ、何度も裏切られて憔悴していることを告白。「西郷だけは裏切らないでくれ」という言葉を聞いた吉之助は、望まない戦いに向かうのだった‐。
混迷極まる幕末らしい展開を見せた27話。吉之助は最後まで戦わずして和解する道を模索していたが、それが簡単に崩されるシーンを鮮烈に表現。鈴木亮平の演技力もあり、そしてそれをあざ笑うような慶喜の笑いが何とも言えない哀愁ある姿であったのが印象的だった。
「西郷どん」は毎週日曜日20時からNHKにて放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)
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