関連記事
悲しき同郷同士の切り合いに涙・・・「西郷どん」23話レビュー
■志士たちの思いがぶつかる姿を真摯に描いた23話
NHKの大河ドラマ「西郷どん」の第23話が6月17日に放送された。薩摩に帰って来た吉之助が早速行動を起こすも、その前には多くの障害が立ちふさがっていた。なんとか状況を打破しようとするも、新しい時代を求める志士たちの悲しい現実が待っていた。
【前回は】渦中の真ん中にいるのはやはり吉之助!?「西郷どん」22話レビュー
■吉之助の本領発揮、しかし再び問題が・・・
暴動を起こそうとする薩摩藩の動きを察知した一蔵(瑛太)は、それを止めようと無断で下関を離れた吉之助(鈴木亮平)を探して京の町を走り回ることになる。やっと吉之助を見つけた一蔵だが、そこには信吾(錦戸亮)、有馬新八(増田修一朗)たちが一緒に酒を飲みかわしていた。
吉之助が自分の状況を察知していないことに怒りそうになるも、一蔵はなんとか抑えて吉之助と2人切りになる。そこで島津久光(青木祟高)が吉之助に厳罰を与えようとすることを伝えるも、「おいは死なん」と答える吉之助だった。
2人はお互いの気持ちを確かめ合った後、志士たちは先ほどまでの雰囲気とは一変した空気を醸し出していた。実は、吉之助の行動が久光に漏れたのは同席していた海江田と大山(北村有起哉)に原因があった。彼らは大阪にいる久光の前で、吉之助の行動を自慢げに話してしまっていた。
■仲間の元から離れる吉之助、そして悲劇が起こる
千人の兵を率いて京の薩摩藩邸に入った久光の前には、捕らえられた吉之助がいた。久光はさっそく「腹を切れ」と命じるも、堂々と自身の考えを述べる。それを聞いた久光はさらに怒るも、同席していた小松と一蔵の計らいもあって島流しの刑に止まることとなる。
吉之助は再び薩摩や仲間たちの元から離れることになり、その一方で久光は孝明天皇からの詔にうれしげな表情を浮かべていた。その様子を危惧していた一蔵の不安は的中してしまい、彼は京の町に徘徊する浪人たちの取り締まりを強化することになった。
町内の警備が強化される中、それでも有馬を中心に倒幕を志す志士たちは寺田屋に集まっていた。その集まりを聞きつけた久光は早速大山を中心に部隊を編成し、寺田屋に向かわせる。同郷であり同じ志を以前は持っていた2人が睨み合う中、信吾が「兄さがいればやめろと言うはずだ」と説得する。しかし、その声も虚しく2つの思想は混じり合うことなく斬り合うこととなってしまう。
「西郷どん」はじまって以来、はじめて凄惨と言える光景が映し出された23話。幕末という大きな潮流の中で生きる志士たちにスポットが当たったエピソードとなり、大山と有馬のやり取りには多くの人が惹きつけられることとなった。そして、最も仲間思いである吉之助が蚊帳の外となっている現実には、本人だけでなく視聴者も同じく暗澹たる気持ちになっただろう。
「西郷どん」は毎週日曜日20時からNHKにて放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)
スポンサードリンク