セブンとトヨタ、来秋から水素活用した次世代コンビニ展開 FCトラックも

2018年6月7日 08:55

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セブンイレブンが導入する燃料電池トラック(トヨタ自動車発表資料より)

セブンイレブンが導入する燃料電池トラック(トヨタ自動車発表資料より)[写真拡大]

  • 共同プロジェクトの全体概要。
  • 燃料電池トラック。
  • FC発電機。
  • リユース蓄電池。

 セブンイレブン・ジャパンとトヨタ自動車は6日、2019年秋から水素を燃料とする次世代コンビニプロジェクトを始動することを明らかにした。究極のクリーンエネルギーともいわれる水素を活用し、環境負荷の低減をさらに進めるのが狙い。これに先立ち、セブンイレブンは2019年春、首都圏の物流に小型の燃料電池トラックを導入する。

【昨年に合意】トヨタとセブンイレブン、水素社会推進で合意 燃料電池トラックなど導入

 次世代コンビニプロジェクトでは、セブンイレブンの店舗に出力10キロワットの燃料電池発電機やトヨタのハイブリッド車の使用済みバッテリーを再利用した容量10キロワット時の中古蓄電池を配備し、店舗の動力源として活用する。

 店舗の屋根に設置する太陽光発電などと併用することも可能で、専用の店舗エネルギー管理システムで管理し、最適化を図る。このほか、車への給電機能付き充電器も設置する。効率的なエネルギー調達方法や活用方法は今後、両社で協議する。

 セブンイレブンが配送車両として導入するのは、トヨタの燃料電池車「MIRAI」の燃料電池ユニットを搭載した小型トラック。走行時の二酸化炭素排出量がゼロになる3トン車で、燃料電池で発電した電力を商品の冷蔵、冷凍にも活用できる。導入するトラックは6日、東京都江東区で公開された。トヨタの試算では走行距離は約200キロに達するという。

 燃料電池発電機を置く店舗数や配送トラックの導入数は未定だが、トヨタはセブンイレブンへの導入で水素利用量が伸びることを期待し、水素ステーションなどインフラ整備の拡大につなげたい考え。

 セブンイレブンを含むセブン&アイグループは2030年までに店舗での再生可能エネルギー利用比率を20%まで引き上げ、二酸化炭素排出量を2013年度比で約27%削減する計画。

 24時間営業のコンビニでは環境負荷を削減する取り組みが欠かせないとして、セブンイレブンは東京都千代田区や相模原市緑区に環境にやさしいモデル店舗を設け、環境負荷削減の実験を進めている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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