トヨタ、電子部品の開発・生産をデンソーに集約へ

2018年6月4日 23:35

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

トヨタは主要な電子部品事業をデンソーに集約する方向で動く、デンソーはトヨタグループの電子部品の生産のみならず開発も担う

トヨタは主要な電子部品事業をデンソーに集約する方向で動く、デンソーはトヨタグループの電子部品の生産のみならず開発も担う[写真拡大]

 トヨタとデンソーは、両社の主要な電子部品事業をデンソーに集約する方向で検討を開始することに合意したと発表した。

【こちらも】京都の電子部品関連4社、中間決算は好調 通期業績の上方修正相次ぐ

 現在、トヨタの電子部品事業は、先行開発、量産開発および生産をトヨタ、デンソーの双方で行なっている。今回の合意は、このうち量産開発と生産の事業をデンソーに集約する方向で検討するもの。

 自動車業界では「電動化」「自動化」「コネクティッド」といった技術の進化が加速しており、さまざまな自動車部品の電子制御化が進む。こうしたなかで、トヨタ、デンソーは電子部品事業の重要度は今後もますます高まっていくものとみている。

 デンソーは、電子部品事業で鍵となる車載用半導体の自社開発・量産を長く実施してきた。同時に、各種電子部品を世界各地で開発・生産を行なっている。今回の合意で、電子部品事業分野で専門性の高いデンソーに集約することで、スピーディかつ競争力のある開発・生産体制を構築する。

 また、グループ内の重複業務を解消することにより発生したリソーセスをこれからのモビリティの価値向上に向けた新たな領域にシフトするなど、リソーセスの最大活用を図りグループ全体の競争力を向上させる模様。

 具体的な両社の合意内容は以下のとおりだ。

 電子部品生産事業の移管については、2019年末をめどに、トヨタの広瀬工場における電子部品の生産をデンソーへ移管する方向で協議する。デンソーは、電子部品の生産供給体制を戦略的に再整備することにより、電子部品市場のグローバル競争での勝ち残りを図ると共に量産メリットを活かして、より高品質かつ廉価な電子部品をトヨタに供給します。

 電子部品の量産開発機能の集約についても2022年以降、電子部品の量産開発機能をデンソーへ集約する。両社で分散している開発ロケーションの一本化を検討し、開発から生産まで一体となった新組織体制をグループで構築し、開発スピードを加速させるなど、詳細について今後両社で協議していくという。

 トヨタとデンソーは、グループの連携を一層強化することにより、トヨタグループ全体での競争力を向上させる取り組みを加速させる。(編集担当:吉田恒)

■関連記事
トヨタ、「ヴィッツ」にマイナーチェンジ、同時に2種の特別仕様車発売
トヨタとスズキ、拡がる業務提携、新パワートレーン開発にデンソー参画
トヨタ、FCV販売拡大に向け燃料電池スタックと水素タンク生産設備拡充
海外大学との産学連携を進める企業。その目的は?
国際的な「ZEV規制」、対応が遅れると日本車は市場からスピンアウトする?

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事