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クルマにかかる税金、日本はアメリカの20倍以上! 自動車販売の足かせか?
小市民にとって、税金を支払わなければならない痛い季節。特にクルマを所有する者は、自動車税の封書を開けるとその数字の多さにガックリくる。排気量によって決まってくるのだが、自家用車の自動車税は2万9,500(1L以下)~11万1,000(6L超)円となっている。
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■持っているだけでかかる自動車税
この自動車税、自動車を保有するだけでかかってくる「保有税」ともいわれる。いまや誰もが所有できる物でぜいたく品ではないのだから、「保有税」の必要があるのだろうか?それでなくとも、日々ガソリン税とそれに関わる消費税も払っている(これは2重課税ではないかとの議論もある)。車を12年間所有して日常的に使用していたとしたら、ガソリン税と消費税だけで80万円近くもかかっているという試算も出ている。
■アメリカの20倍、ドイツの2倍以上で自動車産業にも足かせ?
また、日本の自動車税は世界的に突出して高いといわれている。アメリカは極端に自動車税が低く、ある試算によれば、日本の自動車税はアメリカの約24.4倍、ドイツと比べても2.2倍とも言われる。
クルマを保有するには、新車を購入するときの自動車取得税や自動車重量税と消費税、毎年払う自動車税、それに日常使用にかかるガソリン税と消費税が必要となるわけだ。12年間平均的なグレードのクルマを保有すると、150万円近くの税金を支払う試算が出ている。これでは、若者のクルマ離れの一因、さらには自動車産業界の足かせになっているともいえるのではないか。それでなくとも現在は、スマホなどの通信料も家計に打撃を与えている時代なのだ。
また、自動車重量税の本来の目的は、道路を整備するための暫定税率とされてきた。しかし、その目的はほぼ達成されたと思われ、2010年度より暫定税率という名目は廃止されたのだ。なのに、税水準はそのまま維持されており、JAF(日本自動車連盟)も国に対して要望活動を行っている。
■歴史的意義を持つクルマへの課税
さらには、新車新規登録から13年(ディーゼル車は11年)を経過したクルマに対しては、自動車重量税と自動車税・軽自動車税が10%から15%への重課割合が変更されている。たしかに、地球温暖化に伴って排出ガスが抑制されるべきで、燃費性能の優れた新しいクルマが優遇されることは当然であろう。
しかし視点を変えて、文化的な側面はどうであろう?ドイツやイギリスでは、古いモデルや文化遺産的なクルマには優遇税制が別途ある。ドイツでは、30年以上前のモデルで、オリジナルの状態を保っていることが認められると工業製品文化遺産に認定され、自動車税は約1万8000円。イギリスでは、1974年1月以前に製造された自動車は課税対象外となっている。
■国の運営能力にかかる
国を運営していくために不可欠な税金だが、一方で、産業や景気を停滞させることがあってならない。またそれも国を維持していくために必要なことである。それらのバランスを保つために、公正で偏りのない、国民が納得のいく税体系を実現してほしいものである。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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