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クボタ、自動運転技術を農機で活用
自動運転が可能な農機は、人手不足や高齢化に悩む農家にとっては大きな助けとなるだろう[写真拡大]
「自動運転」はここ最近になって注目され始めたテーマである。主に乗用車で開発が進んでいるが、自動運転は決して乗用車だけの技術ではない。たとえば農業機械への自動運転技術の転用も実用化されており、それがクボタ<6326>が開発している自動運転農業機械である。実は農業機械への自動運転技術の転用は公道を走る乗用車に比べるとかなり簡便であることから、早い段階で自動運転農機は実用化されていたという。
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もともと自動運転の技術そのものは農機・乗用車を問わず早い段階で完成されている。ただし、自動で運転することができても危険物を察知し回避するといった点ではまだクリアすべき課題が残されている。乗用車の分野で自動運転がまだ実用化に至っていないのは、こうした課題があることが関係しているのだが、農機の分野であれば話は別だ。というのは、農機については基本的に動く場所が農地に限定されており、その動きについても直線的なものが多い。従って、自動運転においても対応がしやすいというメリットがある。
そんなクボタ<6326>が開発した自動運転農機だが、トラクターの場合は人間が乗り込んでGPSを利用して運転ルートを設定する仕組み。その後設定したルートに沿ってトラクターをリモコン操作するというものだ。自動運転ではあるものの、実際に操作をする人間と同時に運用することを想定しているという点が大きな特徴といえるだろう。また、自動運転トラクターには様々なセンサーが搭載されており、農地での利用においては誤差も少なく目的の耕作が可能という。これらのセンサーについては危険物の感知も可能で、たとえばトラクター正面に人が立っている場合には自動停止もできるため安全性も高い。
自動運転農機が開発される背景にあるものは、やはり人手不足や高齢化による農業の先細りである。農業に従事する人は年々減少し、農家も高齢化が進む。その際に求められるニーズとなっているのが、負担の少ない農業のための機械であり、そのための自動運転農機というわけだ。安全性と効率性の両立を考えた場合、自動運転の技術ほど農業に最適なものはないだろう。
この他にもクボタ<6326>では、自走可能な田植え機やコンバインなど様々な自動運転農機を開発している。今後の課題となるのはその価格だろうか。どうしても最先端の技術が投入されるとなればその価格についても高くなりがちだが、このあたりがクリアできればより多くの農家にとって大きな助けとなることは言うまでもないだろう。(編集担当:久保田雄城)
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