ハリケーン影響受けての9月雇用統計控え様子見続く、10月5日のドル円為替

2017年10月5日 10:58

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 朝鮮半島を巡る地政学リスクを懸念してドルの上値は限定的だ。1ドル113円台を目前にして反発する傾向が続いている。10月10日の朝鮮労働党創建記念日、18日の中国共産党大会に関連した北朝鮮の動きに対する警戒が強いことも要因の一つだ。

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 10月4日3:30(すべて日本時間)ごろに1ドル112円95銭をつけていたが、ドルは伸びや悩み21:00ごろには1ドル112円32銭まで下がった。21:15には9月ADP雇用統計が発表され、前回の+23.7万人を大幅に下回る+13.5万人であった。これは米国を直撃した二つの大型ハリケーンによる影響によるところが大きく、市場では織り込み済みであり、事前予想もやはり+13.5万人であった。そのため市場への影響は限定的である。

 23:00には9月ISM非製造業景気指数が発表され、こちらは事前予想の55.5を上回る59.8。2005年の8月以来となる高値であった。12月の追加利上げに影響を与えると考えられている指標だけに、このポジティブサプライズはドル買いの大きな材料となった。23:05には1ドル112円90銭までドルは買われている。しかしその後は伸び悩んだ。日付の変わった5日1:15ごろにも1ドル112円94銭をつけたが、反発して5:00ごろには1ドル112円68銭となっている。

 注目を集めていたイエレンFRB議長は講演で、米国の経済状況や金融政策の見通しについては言葉を避けている。9:25にも1ドル112円92銭までドルは回復したが、直後に反落。なかなか113円台の壁を突破できていない。明日には9月雇用統計の発表控えていることもあり、様子見ムードは続くだろう。こちらも大型ハリケーンの影響が見込まれており、+10万人を割り込む予想も出てきた。大幅な増加予想や減少予想があり、難しい判断になりそうである。

 本日は21:30に8月貿易収支、前週分の新規失業保険申請件数の発表があるが、申請件数は大型ハリケーンの影響で増加が見込まれている。22:10には次期FRB議長の呼び声もあるパウエルFRB理事の講演もあり注目される。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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