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NYの視点:引き続き賃金動向に焦点
*07:58JST NYの視点:引き続き賃金動向に焦点
米国の民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の7月分は前月比+17.8万人と、伸びは予想の19.0万人を下回り、4月来の低い伸びにとどまった。一方、6月分は+15.8万人から+19.1万人に上方修正された。3ヶ月平均は20.1万人と、20万人台を保っており、雇用の伸びは強い。年初からの7か月平均も21.7万人。
同指数は米労働省が今週後半に発表する雇用統計と最も相関性が強い先行指標として注目される。7月雇用統計で雇用の増加幅は前月の20万人超えから18万人程度と持続可能なペースに鈍化すると見られており、労働市場が順調な拡大を継続しており、最大雇用またはそれに近いことが確認されると見られる。
そんな中、賃金の伸びが未だ低迷したまま。イエレンFRB議長を初め、連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーは、労働市場や経済の強さがいずれ賃金や物価を引き上げるとの見方を維持している。経済やインフレの状況が年あと一回の利上げを正当化するとの見方。さらに、ボストン連銀のローゼングレン総裁は、「FOMCが9月会合でバランスシートに関する発表をすると、市場は適切に予想している」と、9月FOMCでのバランスシート縮小開始の発表を示唆。しかし、万が一、7月雇用統計で賃金の伸びが予想を下回った場合には、年内のあと一回の利上げ観測がさらに後退するほか、バランスシート縮小のタイミング予測も年後半に先送りされ、さらなるドル売りにつながる可能性がある。
■7月雇用統計の先行指標
・ADP雇用統計:前月比+17.8万人(予想:+19.0万人、6月:+19.1万人←+15.8万人)
・米ISM製造業指数雇用:55.2(6月57.2)
・NY連銀製造業景況指数
雇用(現状):3.9(6月7.7、6か月平均8.0)
週平均就業時間:0(8.5、6か月平均7.3)
6か月先
雇用:11.8(6月12.3、6か月平均17.3)
週平均就業時間:-4.7(6月−5.4、6か月平均7.3)
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):+10.9(6月+16.1、6ヶ月平均+15.5)
週平均就業時間:+3.8(6月+20.5、6か月平均+16.2)
6か月先
雇用:27.0(6月30.0、6か月平均31.8)
週平均就業時間:4.3(6月8.4、6か月平均11.7)
・リッチモンド連銀製造業景況指数
雇用(現状):10(6月5)
週平均就業時間:9(6月1)
賃金::17(6月10)
6か月先
雇用(現状):33(6月31)
週平均就業時間:19(6月17)
賃金::40(6月35)
・消費者信頼感指数
雇用(現状)
十分:34.1(6月32、前年同月23.0)
不十分:47.0(6月49.6、54.9)
困難:18.0(6月18.4、22.1)
雇用(6か月先予想)
増加:19.2(6月19.2、前年同月13.5)
減少:13.3(6月14.6、前年同月17.4)
不変:67.5(6月66.2、前年同月69.1)
所得(6か月先予想)
増加:20.0(6月20.9、前年同月17.1)
減少:10.0(6月9.3、前年同月11.0)
不変:70.0(6月69.8、前年同月71.9)
・失業保険申請件数
件数 前週比 4週平均 継続受給者数
07/22/17| 244,000| 10,000| 244,000 | n/a |
07/15/17| 234,000| -14,000| 244,000 | 1,964,000 |
07/08/17| 248,000| -2,000| 246,000 | 1,977,000 |
07/01/17| 250,000| 6,000| 243,500 | 1,949,000 |
06/24/17| 244,000| 2,000| 242,250 | 1,965,000 |
06/17/17| 242,000| 4,000| 245,000 | 1,945,000 |
06/10/17| 238,000| -7,000| 243,250 | 1,942,000 |
06/03/17| 245,000| -10,000| 242,000 | 1,936,000 |
■市場予想
失業率:4.3%(6月4.4%)
非農業部門雇用者数:前月比+18万人(6月+22.2万人)
民間部門雇用者数:前月比+18万人(6月+18.7万人)
平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+2.4%(6月+0.2%、+4.4%)《HT》
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