ドルは下値拡大、来週は米GDP速報値発表 どうなる7月4週目のドル円為替

2017年7月22日 11:45

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米国では重要な経済指標の発表がない中、7月21日(すべて日本時間)の欧米市場が始まるとドルは急落。13:00ごろは1ドル112円08銭をつけていたが、下値が拡大していく一方で、日付の変わった22日4:00ごろには1ドル111円01銭の安値をつけた。その後、ややドルは戻して1ドル111円12銭で今週はクローズしている。ドル売りのトレンドに変化はない。円高ドル安はどこまで続くのだろうか。

【こちらも】NY為替:トランプ米政権の経済政策実施に懐疑的見方

 市場に重大な影響を与えているのがトランプ大統領のロシアゲート疑惑である。トランプ大統領は弁護士チームの広報官・マック・コラーロの辞任を発表した。7月24日には娘婿であるクシュナー大統領上級顧問の上院情報特別委員会での証言がある。さらに注目されるのが7月26日に行われるトランプ・ジュニアの上院公聴会での証言だ。大統領選挙期間中に会っていたロシア弁護士のナタリア・ベセルイツカヤ氏が、ロシア連邦保安庁に関係するスパイであると報道されている。政治不安からリスク回避の動きが強まっているといえるだろう。

 7月4週目は重要な経済指標が多く発表される。労働市場の拡大以外は低調な米国経済が巻き返してくるのか期待されている。最も注目を集めるのは28日に発表される第2四半期のGDP速報値であろう。第1四半期のGDPは前年比+1.4%であったが、今回は+2.5%ほどが予想されている。こちらが期待どおりの結果であればドル買いの大きな材料となる。次に注目すべきは25日からのFOMCだが、こちらは現行の金融政策を維持することになるだろう。低迷するインフレをどう判断するのか、年内追加利上げについての見解に変化はないという見方が強い。その一方でバランスシート縮小の開始については動きがあるかもしれない。こちらが動き始めるとドル買いは再燃することになる。

 米国が北朝鮮への渡航禁止を示した。北朝鮮によるミサイル発射実験の準備も進められていると見られており、こちらの地政学リスクにも常に気を配らなければならないだろう。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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