【株式評論家の視点】カドカワは純粋持株会社体制へ移行、ゲーム情報ポータル事業の展開に期待

2017年6月30日 09:21

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

 カドカワ<9468>(東1)は、2014年10月1日に株式会社KADOKAWAと、株式会社ドワンゴによる共同株式移転の方法による共同持株会社として設立。両社の完全親会社となる純粋持株会社として設立。設立以来、両社の事業や戦略の相互理解を深める体制を構築し、シナジー事業の検討を進めるとともに、大型投資案件では事業子会社との共同プロジェクトとして投資計画を検討するなど、傘下の子会社の経営指導や管理等を行っている。同社グループは、同社並びに連結子会社46社及び持分法適用会社12社から構成されており、Webサービス事業、出版事業、映像・ゲーム事業、その他の事業を運営している。

 15年4月には、KADOKAWAとドワンゴが持つゲーム情報に関する事業のリソースとノウハウを同社に集約し、「ゲーム情報ポータル事業」を行う事業持株会社として運営している。本年5月15日に純粋持株会社体制への移行及び、ゲーム情報ポータル事業を会社分割によって新たに設立する子会社に承継すると発表。同社グループが一層の企業価値向上を実現するためには、環境変化へのスピーディーな対応を行うとともに、新中期ビジョンに掲げた「ネット時代のメディアミックスの進化」を着実に推進するため、グループのリソースとノウハウを活かしたシナジー事業や新規事業の積極化、事業子会社における迅速な事業執行、持株会社におけるグループの迅速な経営判断の実現を目的として、純粋持株会社制へ移行する。

 今2018年3月期業績予想は、売上高2120億円(前期比3.1%増)、営業利益58億円(同31.1%減)、経常利益62億円(同16.3%減)、純利益35億円(同39.3%減)を見込む。年間配当は期末一括20円を予定している。

 株価は、1月10日につけた年初来の高値から5月31日に年初来の安値1365円と調整。今期減益予想を織り込み1400円どころで下値を固め上昇している。純粋持株会社体制への移行に伴い会社分割となる「ゲーム情報ポータル事業」は、7月3日に新会社「株式会社Gzブレイン」として設立する予定。新たな取り組みとして行なった編集部制作による生放送配信では、人気のゲーム実況者、eスポーツプレイヤーなどを起用したゲーム情報に特化したチャンネルサービスを順次立ち上げ、それらのチャンネル会員数も順調な伸びを見せるなど、着実に成果が出ている。今後はさらにスピード感を持ってゲームファンに向けた新規サービスを推進していくため、本会社分割により、同社グループのシナジー事業として迅速な事業執行が可能となる体制を構築する。今期減益予想を織り込み13週移動平均線を突破しており、期待先行ながらリバウンド幅を拡げるか注目したい。(株式評論家・信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【新規上場(IPO)銘柄】アセンテックはVDIイノベーションセンターの来場者10,000名突破、通期業績予想の上振れが濃厚(2017/06/14)
【業績でみる株価】弁護士ドットコムは目先的な過熱感解消して再動意の可能性、18年3月期も大幅増収増益予想(2017/06/12)
【新規上場(IPO)銘柄】ビーブレイクシステムズの初値は公開価格の4.61倍と高人気、ERP導入市場の更なる拡大が見込まれる(2017/06/19)
【VR・AR関連銘柄特集】市場動向や関連銘柄を探る(2017/06/12)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事